米Intelが,米国時間3月1日にカリフォルニア州サンフランシスコで開幕した開発者向け会議Intel Developer Forum(IDF)Spring 2005で,プロセサのデュアル/マルチ・コア化を中心とした技術的取り組みを推進すると発表した。

 Intel社CEOのCraig Barrett氏は「ムーアの法則が提唱されて40年が経過した今,マルチ・コア・プロセサからプラットフォーム改革までさまざまな新技術および新機能により,開発者コミュニティに新たなチャンスを提供し,業界に成功をもたらす」と述べる。

 同社は,「デジタル・ホームや企業,モバイルなどさまざまな分野で発展するエンド・ユーザーの要求に応えるには,マルチ・コア技術を導入する必要がある」と説明する。さらに,「処理性能を高めるだけでなく,スレッド並列処理技術Intel Hyper-Threading Technology,セキュリティ技術LaGrande,仮想化技術Vanderpoolによるセキュリティ/信頼性/管理性の向上も欠かせない」(同社)としている。

 なおIDF Spring 2005については,米メディアがさまざまに報じている。各メディアの主な報道内容は以下の通り。

internetnews.com
・IDFの場で,最大8Mバイトのレベル3キャッシュ・メモリーを内蔵するXeonプロセサ(開発コード名は「Potomac」)と,同プロセサ用チップセット「Twin Castle」(開発コード名)を発表すると見込む

・2005年終盤に,90nmプロセス・ルールのItanium製品系列プロセサ「Montecito」(開発コード名)をリリースする

CNET News.com
・現在15種類のデュアル/マルチ・コア・プロジェクトを進めている

・2005年第2四半期に,デスクトップ・パソコン向けデュアル・コア・プロセサ「Smithfield」(開発コード名)をリリースする。動作周波数は3.2GHz,システム・バス(FSB)のクロック周波数は800MHz。コアごとに1Mバイトのキャッシュ・メモリーを内蔵する

・2006年に,ハイエンド・デスクトップ・パソコン向けデュアル・コア・プロセサ「Presler」(開発コード名)をリリースする。製造プロセス・ルールは65nm

・2006年に,Itanium製品系列のプロセサ「Montvale」(開発コード名)をリリースする。製造プロセス・ルールは90nm

・Montvaleのリリース後,同社初のマルチ・コア・プロセサ「Tukwila」(開発コード名)を利用可能とする。製造プロセス・ルールは65nm

・Xeon製品系列初のデュアル・コア・プロセサ「Paxville」(開発コード名)は,2006年に利用可能とする。製造プロセス・ルールは90nm

・デュアル・コアXeonプロセサの65nm版である「Tulsa」(開発コード名)は,2006年後半リリースの予定

InfoWorld
・デスクトップ向けデュアル・コア・プロセサのリリースに合わせて「Pentium 4」ブランドの使用をやめ,2005年後半から新ブランド「Pentium D」を展開する。Smithfieldには新ブランドを適用する

・2005年第4四半期に,ノート・パソコン向けのデュアル・コア・プロセサ「Yonah」をリリースする。製造プロセス・ルールは65nm

・2006年第1四半期に,Xeon製品系列のデュアル・コア・プロセサ「Dempsey」(開発コード名)の出荷を開始する。製造プロセス・ルールは65nm

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