米IBMが,64ビット対応Xeonプロセサ・ベースの「IBM eServer xSeries」サーバー向け新アーキテクチャ「eServer X3」を米国時間2月22日に発表した。同アーキテクチャを採用する最初の製品である「IBM eServer xSeries 366(x366)」は,90日以内に利用可能とする。

 eServer X3は,サーバー・アーキテクチャ「Enterprise X-Architecture」の第3世代に相当する。サーバー統合と企業向けアプリケーション動作の最適化を図ったほか,マシンやネットワーク,ストレージなどを仮想化する技術「Virtualization Engine」を導入した。Xeonプロセサによる4ウエイ・システムの場合,処理性能が旧アーキテクチャに比べ最大38%向上するという。

 32ビットと64ビットの両アプリケーションを同時に動かすことができるので,既存資産を無駄にすることがなく,状況に合わせた64ビット環境への移行が可能になる。

 新アーキテクチャの開発には,3年かけ1億ドルの資金を投入した。

 x366は,64ビット対応Intel Xeon processors MPベースのサーバー。新開発のチップセット「Hurricane」を搭載し,DDR2 Active MemoryやActive PCI-X 2.0に対応する。米Microsoft,米Red Hat,米Novellなどのx86用64ビットOSが利用できる。

 Hurricaneは,第3世代のEnterprise X-Architecture用チップセット。クロック周波数が最大266MHzのActive PCI-X 2.0を利用でき,6.4Gバイト/秒で動作するI/Oポートを3つ備える。

 ベンチマーク・テストTPC-Cを使ってx366のオンライン・トランザクションの処理性能を計測したところ,14万1504tpmC(トランザクション/分)を記録した。これはHP ProLiant DL585 O850(2.6GHz)より8%高速で,Xeonプロセサ4ウエイ・サーバー部門で最も高い値という。300GB TPC-Hベンチマーク・テストの結果は7731.9 QphH@300GBとなり,300Gバイト・データベースの部門でトップ10に入った。

 x366の米国における価格は6999ドルから。

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