調査内容 主要ベンダーへの満足度(ハード)
調査時期 2009年12月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2737件(954件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システム担当者を対象に、国内の主なハード製品ベンダーへの満足度を聞いたところ、「価格」、「性能・機能」、「サポート・サービス」の3評価項目ともデルが首位という結果になった。

 デルの「価格」満足度(図1)は2007年11月に実施したベンダー満足度の調査以来、2008年5月調査2008年11月調査2009年3月調査前回2009年6月調査、そして今回の2009年12月調査まで、6回連続首位となった。

図1●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《価格》
図1●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《価格》

ネットアップが「性能・機能」「サポート」の満足度で中位に上昇

 デルの「ハード製品」の「価格」に対する満足率(満足と答えた回答者の比率)79.4%は、前回(79.3%)に続いて、調査した全対象ベンダー、4分野×3項目合計12種の評価対象軸の中で最大だった。また、全評価対象ベンダーの全評価項目を通じて、唯一の70%台だった。

 今回の調査全体での満足率の値の上位は「デルのハードの価格」を筆頭に、上位6位すべてが「ハードの価格」についての評価だった。2位以下は順に、「エーピーシー・ジャパン(APC)」の69.6%(前回61.6%)、「日本ヒューレット・パッカード(HP、旧EDSジャパン、旧3Comを含む)」の69.1%(同67.3%)、「セイコーエプソン」の68.3%(同71.6%)、「レノボ・ジャパン」の65.9%(同59.3%)、「アライドテレシス」の64.8%(同70.7%)となった。APCとレノボが前回より6~7ポイント・アップしたのが目立つ。

 「ハード製品」の「性能・機能」への満足率(図2)は、前回2009年6月調査ではAPCが61.6%、デルが61.4%でほぼ同率の首位だったが、ここでも今回は全体的にスコアがダウン。56.1%のデルは54.0%のシスコシステムズ(前回53.0%)と53.9%のAPCを上回ったものの、前回から5ポイント以上の大幅な低下である。

図2●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《性能・機能》
図2●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《性能・機能》

 この「性能・機能」への満足度で、前回調査から大きくスコアを上げたのは「ネットアップ(旧日本ネットワーク・アプライアンス)」(前回41.3%→今回46.7%)と「EMCジャパン」(前回39.8%→今回43.3%)のストレージ系ベンダー2社だった。

 「サポート・サービス」への満足度(図3)も、前回調査に比べ全体的にスコア・ダウンの傾向だ。デルが前回に続いて首位を守った(前回46.0%→今回42.5%)ものの、前回2位のNEC(前回42.9%→今回40.9%)や富士通(前回41.8%→今回37.9%)、日本HP(前回39.4%→今回38.7%)など、上位の各社がそろってダウンした。ここでも前回調査に比べて顕著にスコアが上昇したのはネットアップ(前回25.4%→今回33.3%)だ。

図3●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《サポート・サービス》
図3●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《サポート・サービス》

ハード3項目の平均満足率が上昇した日立、だが不満足率も3項目制覇

 「ハード製品」における3項目の満足率の単純平均トップ5は、前回2009年6月調査と変わらずデル(59.3%、前回調査は62.2%)、日本HP(53.5%、前回54.9%)、APCジャパン(52.3%、前回53.7%)、セイコーエプソン(50.5%、前回53.6%)、アライドテレシス(48.6%、前回52.2%)であった。このハード3項目の平均満足率が前回調査より上昇したベンダーは、「価格」で2ポイント、「サポート」で2.4ポイント・アップした日立製作所(前回35.6%→今回36.5%)だけだった(「価格」が有効回答数不足で比較できないネットアップを除く)。

 しかし、日立はハード製品の「不満足率」も高い。3項目の単純平均26.4%は前回(25.4%)に続いてワースト1。項目別でも「価格」の35.0%(前回38.4%、今回の2位は日本IBMの31.3%)、「性能・機能」の20.3%(前回17.1%、今回の2位はレノボ・ジャパンの18.9%)、「サポート」の23.8%(前回20.6%、今回の2位はシスコの20.7%)のいずれも、評価対象ベンダー中最も大きい。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが、ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に、主要ベンダーに対する満足度を聞いた。
 前回2009年6月調査と同じく、まず「評価対象のベンダーを利用しているか」の設問を提示。そのうち「利用している」とした回答者数(有効回答数)を、そのベンダーのその評価項目についての100%とし、その評価項目に「満足」「不満足」の二者択一で回答を求めた。本文中の「満足率」は上記の有効回答数の中で「満足」とした回答者の比率、「不満足率」は「不満足」とした回答者の比率である。これに「満足」「不満足」のいずれも選ばなかった無回答(態度保留)の回答者を加えると100%となる。
 「価格」満足度は評価対象ベンダーと直接契約して利用している回答者、「性能・機能」と「サポート・サービス」満足度は評価対象ベンダーの製品・サービスを直接または間接的な形で利用している回答者にだけ、設問を提示した。このため「価格」満足度の有効回答数が30未満だったネットアップ(旧日本ネットワーク・アプライアンス)は、「性能・機能」と「サポート・サービス」の満足度のみを図示した。
 なお、今回の調査では以下の各ベンダー(有効回答数30以上を得た会社のみ記載、順不同)も評価対象として提示したが、当該ベンダーの製品・サービスの領域を考慮して、「ハード製品」の満足度評価の集計対象からは除外した。
 KDDI(au、UQコミュニケーションズ、旧パワードコムを含む)、NTTコミュニケーションズ(NTTPCコミュニケーションズ(InfoSphere)、NTTぷららなどを含む)、NTTドコモ、NTT東日本/NTT西日本、SAPジャパン(BusinessObjectsを含む)、アドビシステムズ、イー・アクセス(イー・モバイル、アッカ・ネットワークスを含む)、ヴイエムウェア(VMware日本法人)、ウィルコム、ウイングアークテクノロジーズ、エムオーテックス、オービックビジネスコンサルタント(OBC)、サイボウズ、シトリックス・システムズ・ジャパン、シマンテック(日本法人、ベリタスソフトウェアを含む)、セールスフォース・ドットコム、ソフトバンクテレコム(旧日本テレコム)、ソフトバンクモバイル、トレンドマイクロ、日本オラクル(BEAシステムズ、ハイペリオン、シーベル、ピープルソフト、JDエドワーズなどを含む)、ネオジャパン、ピー・シー・エー(PCA)、マイクロソフト、マカフィー、ヤフー(日本法人、旧ソフトバンクIDCを含む)、レッドハット、ワークスアプリケーションズ、米Amazon.com(Amazon Web Services)、米Google(Google App Engine、Google Apps)。
 調査実施時期は2009年12月中旬、調査全体の有効回答は2737件、「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は954件。