調査内容 主要ベンダーへの満足度(ハード)
調査時期 2009年6月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3211件(1100件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システム担当者を対象に,国内の主な情報通信製品/サービス・ベンダーへの満足度を聞いたところ,ハード製品への満足度は「価格(料金)」と「サポート・サービス」ではデルが首位。「性能・機能」でも電源装置大手のエーピーシー・ジャパン(APC)とデルがほぼ同率で首位という結果になった。「価格」のデルは2007年11月に実施したベンダー満足度の調査以来,2008年5月調査2008年11月調査前回2009年3月調査,そして今回2009年6月調査と,5回連続で首位を守った。

デルのハード価格満足度は今回も突出したが,低下傾向

 デルの「ハード製品」の「価格」への満足率評価の79.3%は,今回調査した全対象ベンダー,4分野×3項目合計12種の評価対象軸の中で,最大の満足率である。ただし前回調査で得た80.3%,前々回2008年11月調査での82.2%,2008年5月調査での84.1%と比較すると,徐々に低下の傾向を示している。

 今回の調査全体での満足率の値のトップ5は,この「デルのハードの価格」に次いで「セイコーエプソンのハードの価格」(71.6%),「サイボウズのソフトの価格」(71.3%),「ネオジャパンのソフトの価格」(68.4%),「日本ヒューレット・パッカード(HP)のハードの価格」(67.3%)。HPのハードの価格への満足率は前回調査での71.1%(全評価対象中2位)から約4ポイント低下した。同じく前回調査で全評価対象中3位の「アライドテレシスのハードの価格」(70.7%)も,今回は約6ポイント・ダウンの65.0%。前回4位(70.1%)の「APCのハードの機能」は8.5ポイントも下げ,今回は61.6%に止まった。

ハード評価3項目の平均上位5社は前回と変わらず

 今回,「ハード製品」の3項目の満足率の単純平均トップ5はデル(62.2%,前回調査は62.3%で1位),日本HP(54.9%,前回58.4%で3位),APCジャパン(53.7%,前回58.8%で2位),セイコーエプソン(53.6%,前回も56.9%で4位),アライドテレシス(52.2%,前回55.8%で5位)。デル以外の4社はややスコアを下げたものの,上位5社の顔ぶれは前回調査と同じだった。

 ハード製品への「不満足率」は今回も「価格」に対する不満が高く,日立製作所(38.4%),EMCジャパン(36.5%),日本IBM(30.9%),シスコシステムズ(29.3%),レノボ・ジャパン(28.0%)がワースト5。「性能・機能」「サポート」も日立とレノボへの不満足率が高く,3項目の不満足率の単純平均では日立(25.4%),レノボ(22.2%),日本IBM(20.2%),EMCジャパン(19.9%),富士通(19.4%)がワースト5となった。このうちレノボ(前回の不満足率3項目平均25.1%),日本IBM(同22.0%),富士通(同22.3%)の3社は前回に比べて改善しているが,日立(同22.6%)とEMCジャパン(同16.6%)は悪化した。EMCの不満足率の上昇は「価格」の不満足率が前回調査より約15ポイント拡大した(前回21.7%→今回36.5%)のが主な原因で,「サポート」の不満足率はむしろ前回調査より約5ポイント改善している(前回16.5%→今回11.1%)。日立も「機能」の不満足率は前回調査とほぼ同じ,「サポート」の不満足率も小幅な増加(前回19.0%→今回20.6%)で,「価格」の不満足率が約6ポイント拡大した(前回32.0%→今回38.4%)ことが響いた。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,主要ベンダーに対する満足度を聞いた。
 前回2009年3月調査と同じく,まず「評価対象のベンダーを利用しているか」の設問を提示。そのうち「利用している」とした回答者数(有効回答数)を,そのベンダーのその評価項目についての100%とし,その評価項目に「満足」「不満足」の二者択一で回答を求めた。本文中の「満足率」は上記の有効回答数の中で「満足」とした回答者の比率,「不満足率」は「不満足」とした回答者の比率である。これに「満足」「不満足」のいずれも選ばなかった無回答(態度保留)の回答者を加えると100%となる。
 「価格」満足度は評価対象ベンダーと直接契約して利用している回答者,「性能・機能」と「サポート・サービス」満足度は評価対象ベンダーの製品・サービスを直接または間接的な形で利用している回答者にだけ,設問を提示した。このため「価格」満足度の有効回答数が30未満だったネットアップ(旧日本ネットワーク・アプライアンス)は,「性能・機能」と「サポート・サービス」の満足度のみを図示した。
 なお,今回の調査では以下の各ベンダー(有効回答数30以上を得た会社のみ記載,順不同)も評価対象として提示したが,当該ベンダーの製品・サービスの領域を考慮して,「ハード製品」の満足度評価の集計対象からは除外した。
 KDDI(au,UQコミュニケーションズ,旧パワードコムを含む),NTTコミュニケーションズ(NTTPCコミュニケーションズ(InfoSphere),NTTぷららなどを含む),NTTドコモ,NTT東日本/NTT西日本,SAPジャパン(BusinessObjectsを含む),アドビシステムズ,イー・アクセス(イー・モバイル,アッカ・ネットワークスを含む),ヴイエムウェア(VMware日本法人),ウィルコム,ウイングアークテクノロジーズ,エムオーテックス,オービックビジネスコンサルタント(OBC),サイボウズ,シトリックス・システムズ・ジャパン,シマンテック(日本法人,ベリタスソフトウェアを含む),セールスフォース・ドットコム,ソフトバンクテレコム(旧日本テレコム),ソフトバンクモバイル,トレンドマイクロ,日本オラクル(BEAシステムズ,ハイペリオン,シーベル,ピープルソフト,JDエドワーズなどを含む),ネオジャパン,ピー・シー・エー(PCA),マイクロソフト,マカフィー,ヤフー(日本法人,旧ソフトバンクIDCを含む),レッドハット,ワークスアプリケーションズ,米Amazon.com(Amazon Web Services),米Google(Google App Engine,Google Apps)。
 調査実施時期は2009年6月中旬~下旬,調査全体の有効回答は3211件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1100件。

図1●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《価格》
図1●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《価格》

図2●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《性能・機能》
図2●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《性能・機能》

図3●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《サポート・サービス》
図3●主な情報システム関連ベンダーのハード製品への満足度《サポート・サービス》