所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当している情報システムの範囲を聞いた(複数回答)。「全社の情報システム」を担当しているとした回答者の比率は66.4%で,前回2009年3月調査(四半期予算調査,年度予算調査,ベンダー満足度調査,システム・インテグレータ満足度調査を実施)の61.7%から4.7ポイント低下しているが,前々回2008年12月調査(四半期予算調査を実施)の67.6%,2008年11月調査(ベンダー満足度調査を実施)の65.2%,2008年10月調査(ベンダーへのイメージ/利用意向調査を実施)の64.1%に対しては2.5ポイント以内の変動幅に収まっている。

 「部門の情報システム」担当の比率は37.1%(前回2009年3月調査は39.7%,2008年12月調査は36.1%,2008年11月調査は39.4%,2008年10月調査は37.9%)。「事業所の情報システム」担当は27.6%(2009年3月調査は26.7%,2008年12月調査は28.5%,2008年11月調査は29.4%,2008年10月調査は25.5%)。「ワークグループの情報システム」担当の比率は21.3%(2009年3月調査は24.9%,2008年12月調査は20.7%,2008年11月調査は22.9%,2008年10月調査は22.5%)だった。

図1●回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1100)
図1●回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1100)

 「担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階」(担当・関与しているシステム業務の中心は,システム・ライフサイクルのどの段階に最も近いか)で今回最も多くの回答者が選んだのは,前回2009年3月調査と同じ「運用/活用支援」の33.0%(前回は32.1%),次いで「システム戦略立案」(今回20.5%,前回19.7%)で,この2項目の比率は1ポイント弱増えた。

 以下,「提案依頼(RFP)/業者選定/要求分析/要件定義」(今回18.7%,前回19.9%),「保守/修正/機能追加/廃棄」(今回16.7%,前回16.5%),「詳細設計/実装/テスト/移行」は(今回11.1%,前回11.8%)。「RFP~要件定義段階」の担当者が占める比率がやや減ったが,約1ポイントの変動にすぎない。

図2-1●担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階(n=1073)
図2-1●担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階(n=1073)

 所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当分野を聞いた(複数回答)。前回2009年3月調査と比較すると,【インフラ系】の「セキュリティー」が前回41.4%→今回45.5%と4ポイント強増えたのが最も大きな比率の変動で,そのほか「生産管理」(前回16.7%→今回19.5%),「会計」(前回21.3%→今回24.0%),「CRM・顧客関連」(前回13.5%→今回16.2%)の3分野が3ポイント弱増えた。その他の分野はほとんどが前回と横ばいから約2ポイントの増加で,唯一「ハードウエア購入」を担当しているとした回答者の比率が,前回調査より減少(0.6ポイント)した。

◆注
 図中の「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」はビジネス・コンティニュイティ分野,「運用・保守開発」は信頼性向上やコストダウンを目的とするソフトの維持改良を含む。「ソフトウエア購入」はアプリケーション・ソフトやミドルウエアの購入を指すものとして回答を求めた。

図2-2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1100)
図2-2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1100)

 回答者のうち,自社の情報システム担当者の勤務先の業種,所在地,上場の有無,担当システムの利用就業者規模の比率は図示した通り。業種別は「製造業」が32.8%(前回2009年3月調査では31.3%,2008年12月調査では31.9%,2008年11月調査では31.8%,2008年10月調査では30.7%)で,今回はやや高め。「流通業」は9.8%(前回7.7%,2008年12月調査10.9%,11月調査9.8%,10月調査9.1%)。「サービス業」は今回やや低く37.6%(前回42.4%,2008年12月調査38.4%,11月調査42.0%,10月調査41.1%)。「サービス業」の中の「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」業種の比率が,前回2009年3月調査(26.6%)から約7ポイント減少したのが目立つ。

 回答者の勤務先の所在地(脚注参照)は毎回あまり変動がなく,「東京都」が今回も最多の35.3%(前回2009年3月調査は36.5%,2008年12月調査では37.0%)。次いで「関東(東京を除く)」が17.8%(前回17.9%,2008年12月調査は37.0%),「東海・北陸・甲信越」15.0%(前回,2008年12月調査ともに14.7%),「近畿」14.4%(前回14.9%,2008年12月調査は15.9%)の順となっている。

 回答者の担当しているシステムの規模別では,“小規模”(利用者300人未満)システム担当者の比率が47.8%(前回48.7%,2008年12月調査は49.7%)とやや低下。300人以上1000人未満の“中規模”システム担当者は18.9%(前回19.2%,2008年12月調査は19.1%),1000人以上の“大規模”システム担当者の比率が32.5%(前回31.2%,2008年12月調査は30.4%)でやや増えた。

◆注
 本文中の「製造業」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。
 「サービス業」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計である。
 本調査で有効回答としている「情報システム担当者」は,所属する企業・組織で,『自社業務の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当』している人を指す。対象は全社システムに限らず,部門や事業所・拠点内の小規模な情報システムも含む。勤務先の所在地は,「全社の情報システム」の担当者は本社の,それ以外は担当の「事業所」「部門」「ワークグループ」の所在地を回答してもらった。
 所属が情報システム子会社でも,親会社のためではなく『自社の業務遂行のために行う自社の情報システムにかかわる業務を担当』していれば,本調査での「情報システム担当者」に該当するものとした。

図3-1●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の業種(n=1100)
図3-1●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の業種(n=1100)

図3-2●回答者のうち情報システム担当者の所属企業の所在地(n=1100)
図3-2●回答者のうち情報システム担当者の所属企業の所在地(n=1100)

図3-3●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・上場の有無(n=1100)
図3-3●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・上場の有無(n=1100)

図3-4●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・担当システムの利用就業者規模(n=1100)
図3-4●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・担当システムの利用就業者規模(n=1100)