所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当している情報システムの範囲を聞いた(複数回答)。「全社の情報システム」を担当しているとした回答者の比率は,前回2008年9月調査(64.2%),「ベンダー/SIのイメージ」調査を実施した2008年7月調査(64.0%)とほぼ同じ64.1%。「部門の情報システム」担当の比率も37.9%で前回調査(37.4%),2008年7月調査(37.5%)とほぼ同じ。「事業所の情報システム」担当(前回29.9%,2008年7月調査は26.9%)はやや比率が下がって25.5%。「ワークグループの情報システム」担当は22.5%で前回の23.2%からは微減,2008年7月調査(20.2%)からは微増だった。

図1●回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1244)
図1●回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1244)

 「担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階」(担当・関与しているシステム業務の中心は,システム・ライフサイクルのどの段階に最も近いか,9つの選択肢から一択)で,今回最も多くの回答者が選んだのは「システム戦略立案」の26.5%(前回2008年9月調査では23.4%,2008年7月調査では24.5%)。次いで,前回まで最も多かった「運用/活用支援」(前回27.8%,2008年7月調査は28.1%)が,今回やや比率を下げて25.9%だった。3番目に多いのは前回と同じく「保守/修正/機能追加」の14.5%(前回16.2%,2008年7月調査は14.3%)。以下「要求分析/要件定義」が前回から微増の11.8%(同11.0%,9.7%),「提案依頼/業者選定」が11.6%(同11.5%,12.5%)。設計/実装/テスト/移行段階を主業務とした回答者は合計で9.4%(同10.0%,10.7%)で微減の傾向が続いている。

図2-1●担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階(n=1204)
図2-1●担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階(n=1204)

 所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当分野を聞いた(複数回答)。前回2008年9月調査ではほとんどの分野で,前々回2008年8月調査に比べて「担当している」とした回答者の比率がダウンしたが,今回は「業務別」「目的別」「ハード/ソフト別」の各分野のほとんどが,小幅ながら前回9月調査よりアップした。「インフラ系」は「その他」を除く7分野中5分野が前回調査より低下しているが,最大でも1.7ポイント減(「セキュリティー」の前回44.1%→今回42.4%)である。

 前回調査と比べたアップ幅の最大は「アプリケーション(システム)間連携基盤系」(前回20.9%→今回24.3%)と「ソフトウエア購入」(前回46.2%→今回49.6%)の3.4ポイント。今回と同じ「ベンダー/SIのイメージ」調査を実施した2008年7月調査との比較では,「会計」の2.6ポイント・アップと「ストレージ系」の2.4ポイント・ダウンが最大である。

◆注
 図中の「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」はビジネス・コンティニュイティ分野,「運用・保守開発」は信頼性向上やコストダウンを目的とするソフトの維持改良を含む。「ソフトウエア購入」はアプリケーション・ソフトやミドルウエアの購入を指すものとして回答を求めた。

図2-2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1247)
図2-2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1247)

 回答者のうち,自社の情報システム担当者の勤務先の業種,所在地,上場の有無,担当システムの利用就業者規模の比率は図示した通り。業種別は「製造業」が30.7%(前回2008年9月調査では31.5%,2008年7月調査では31.6%),「流通業」が9.1%(前回10.9%,7月調査9.2%),「サービス業」が41.1%(前回40.2%,7月調査41.2%)。

 回答者の勤務先の所在地(脚注参照)は今回も「東京都」が最多の37.1%(前回38.2%,7月調査36.3%)。次いで「関東(東京を除く)」の16.8%(前回15.6%,7月調査16.8%),「近畿」の15.4%(前回15.2%,7月調査15.3%),「東海・北陸・甲信越」が15.0%(前回14.0%,7月調査14.5%)で,3地区とも前回調査よりわずかに比率を上げた。

 回答者の担当しているシステムの規模別では,“小規模”(利用者300人未満)の回答者の比率が47.7%(前回2008年9月調査49.4%,7月調査は50.3%)でやや減少。300人以上1000人未満の“中規模”が20.3%(前回19.6%,7月調査18.6%)で微増。1000人以上の“大規模”担当者の比率も31.0%(前回29.9%,7月調査も29.9%)でやや増えた。

◆注
 本文中の「製造業」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。
 「サービス業」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計である。
 本調査で有効回答としている「情報システム担当者」は,所属する企業・組織で,『自社業務の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当』している人を指す。対象は全社システムに限らず,部門や事業所・拠点内の小規模な情報システムも含む。勤務先の所在地は,「全社の情報システム」の担当者は本社の,それ以外は担当の「事業所」「部門」「ワークグループ」の所在地を回答してもらった。
 所属が情報システム子会社でも,親会社のためではなく『自社の業務遂行のために行う自社の情報システムにかかわる業務を担当』していれば,本調査での「情報システム担当者」に該当するものとした。

図3-1●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の業種(n=1247)
図3-1●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の業種(n=1247)

図3-2●回答者のうち情報システム担当者の所属企業の所在地(n=1247)
図3-2●回答者のうち情報システム担当者の所属企業の所在地(n=1247)

図3-3●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の上場の有無(n=1247)
図3-3●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の上場の有無(n=1247)

図3-4●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の担当システムの利用就業者規模(n=1247)
図3-4●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の担当システムの利用就業者規模(n=1247)