所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当している情報システムの範囲を聞いた(複数回答)。「全社の情報システム」を担当しているとした回答者の比率は,前回2008年7月調査の64.0%から約3ポイント増えて66.9%。「部門~ワークグループの情報システム」の担当者の比率もそれぞれ上昇しており,「部門の情報システム」担当は前回(37.5%)より約1ポイント,「事業所の情報システム」担当(前回26.9%)は約3ポイント,「ワークグループの情報システム」担当(前回20.2%)は約2ポイント多い。

回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1151)
回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1151)

 「担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階」(担当・関与しているシステム業務の中心は,システム・ライフサイクルのどの段階に最も近いか,9つの選択肢から一択)で,最も多くの回答者が選んだのは今回も「運用/活用支援」で27.0%(前回2008年7月調査では28.1%,2008年6月調査では25.0%)。

 2番目に多いのも前回調査と同じ「システム戦略立案」の23.3%(前回24.5%,2008年6月調査23.6%)。3番目に多い「保守/修正/機能追加」14.2%(前回14.3%,2008年6月調査14.0%)までは前回とほぼ同じか小幅な減少で,「要求分析/要件定義」の13.0%(前回9.7%,2008年6月調査12.0%,2008年5月調査では10.2%)の比率がやや増えた。「提案依頼/業者選定」は11.9%(前回12.5%,過去最大は2008年6月調査での14.0%,2008年3月調査が過去最小で11.1%)。設計/実装/テスト/移行段階を主業務とした回答者は合計で10.4%(前回10.7%,2008年6月調査11.0%)で前回調査とほぼ同じ。

図2-1●担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階(n=1121)
図2-1●担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階(n=1121)

 所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当分野を聞いた(複数回答)。前回2008年7月調査と比べると,「担当している」とした回答者の比率がアップした分野が多い。

 アップ幅の最大は「既存システムの再構築」(前回33.9%→今回39.7%)。「運用・保守開発」(前回36.6%→今回40.4%),「新規システム開発」(前回29.9%→今回33.2%),「ソフトウエア購入」(前回49.0→今回52.1%),「生産管理」(前回17.6%→今回20.6%)の4分野も,3ポイント以上前回より多い。2ポイント以上3ポイント未満のアップは「会計」,「人事・給与」,「CRM・顧客関連」,「情報系」,「アプリケーション(システム)間連携基盤系」,「運用・危機対策系」,「ハードウエア購入」の7分野あった。

◆注
 図中の「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」はビジネス・コンティニュイティ分野,「運用・保守開発」は信頼性向上やコストダウンを目的とするソフトの維持改良を含む。「ソフトウエア購入」はアプリケーション・ソフトやミドルウエアの購入を指すものとして回答を求めた。

図2-2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1157)
図2-2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1157)

 回答者のうち,自社の情報システム担当者の勤務先の業種,所在地,上場の有無,担当システムの利用就業者規模の比率は図示した通り。業種別は「製造業」が32.6%(前回2008年7月調査では31.6%),「流通業」が10.7%(前回9.2%),「サービス業」がやや前回より少なく38.4%(前回41.2%)。

 回答者の勤務先の所在地(脚注参照)は今回も「東京都」が最大の37.2%(前回36.3%)。「東海・北陸・甲信越」(前回14.5%→今回15.7%)がやや増えて,「関東(東京を除く)」(前回16.8%→今回15.3%)を上回った。その他の地域の比率は前回と1ポイント以内の微増減である。

 回答者の担当しているシステムの利用者規模は,“小規模”(利用者300人未満)の回答者の比率が47.3%で,過去数回と比べるとやや少ない(前回2008年7月調査は50.3%,前々回6月調査は48.2%,5月調査は50.7%)。300人以上1000人未満の“中規模”が21.7%(5月調査19.1%→6月調査19.8%→7月調査18.6%)とやや多め。1000人以上の“大規模”担当者の比率は30.0%でほとんど前回と変わらない(5月調査29.3%→6月調査31.4%→7月調査29.9%)。

◆注
 本文中の「製造業」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。
 「サービス業」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計である。
 本調査で有効回答としている「情報システム担当者」は,所属する企業・組織で,『自社業務の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当』している人を指す。対象は全社システムに限らず,部門や事業所・拠点内の小規模な情報システムも含む。勤務先の所在地は,「全社の情報システム」の担当者は本社の,それ以外は担当の「事業所」「部門」「ワークグループ」の所在地を回答してもらった。
 所属が情報システム子会社でも,親会社のためではなく『自社の業務遂行のために行う自社の情報システムにかかわる業務を担当』していれば,本調査での「情報システム担当者」に該当するものとした。

図3-1●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の業種(n=1157)
図3-1●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の業種(n=1157)

図3-2●回答者のうち情報システム担当者の所属企業の所在地(n=1157)
図3-2●回答者のうち情報システム担当者の所属企業の所在地(n=1157)

図3-3●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の上場の有無(n=1157)
図3-3●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の上場の有無(n=1157)

図3-4●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の担当システムの利用就業者規模(n=1157)
図3-4●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の担当システムの利用就業者規模(n=1157)