所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当している情報システムの範囲を聞いた(複数回答)。「全社の情報システム」を担当しているとした回答者の比率は,前回2008年10月調査(64.1%)より約1ポイント高く,「ベンダー満足度」調査を実施した2008年5月調査(67.7%)からは2.5ポイント低い65.2%。「部門の情報システム」担当の比率は39.4%(前回37.9%,2008年5月調査は36.6%)でやや高め。「事業所の情報システム」担当も29.4%(前回25.5%,2008年5月調査は28.5%)でやや高めになっている。「ワークグループの情報システム」担当は22.9%で前回の22.5%,2008年7月調査の22.7%とほぼ同じだった。

図1●回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1134)
図1●回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1134)

 「担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階」(担当・関与しているシステム業務の中心は,システム・ライフサイクルのどの段階に最も近いか,9つの選択肢から一択)で,今回最も多くの回答者が選んだのは「運用/活用支援」で28.7%(前回2008年10月調査は25.9%,2008年5月調査は28.9%)。前回やや比率が下がって2番目に後退したが,今回は前々回2008年9月調査(27.8%)までとほぼ同水準に戻った。前回最も多かった「システム戦略立案」は今回25.3%で2番目に多い(前回2008年10月調査は26.5%,2008年5月調査は26.0%)。以下,「要求分析/要件定義」が今回はやや多く13.1%(前回11.8%,2008年5月調査は10.2%),「保守/修正/機能追加」がやや少なく12.9%(前回14.5%,2008年5月調査は13.7%),「提案依頼/業者選定」はほぼ同じ11.3%(同11.6%,11.4%)。設計/実装/テスト/移行段階を主業務とした回答者は合計8.6%(同9.4%,9.3%)で微減だった。

図2-1●担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階(n=1097)
図2-1●担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階(n=1097)

 所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当分野を聞いた(複数回答)。ほぼ全分野が,前回2008年10月調査と同水準で,最も大きな増減は「会計」の3.2ポイント減(前回24.9%→今回21.7%),次いで「ソフトウエア購入」の2.5ポイント減(前回49.6%→今回47.1%)。増加側では「CRM・顧客関連」の1.9ポイント増(前回13.4%→今回15.3%)が最大だ。

 「ベンダー満足度」調査を実施した2008年5月調査は全体的に今回より高めで,最も大きな差があるのは「ネットワーク系」の7.0ポイント(今回43.2%,2008年5月調査は50.2%)。「ソフトウエア購入」が5.3ポイント(今回47.1%,2008年5月調査は52.4%),「情報系」が4.9ポイント(今回46.8%,2008年5月調査は51.7%)と比較的差が大きい。「業務別」の分野の中では「物流」の3.4ポイント差(今回12.0%,2008年5月調査は15.4%)が最大で,次いで「会計」の2.7ポイント差(今回21.7%,2008年5月調査は24.4%),他の6分野は1.5ポイント以内の小幅な差だった。

◆注
 図中の「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」はビジネス・コンティニュイティ分野,「運用・保守開発」は信頼性向上やコストダウンを目的とするソフトの維持改良を含む。「ソフトウエア購入」はアプリケーション・ソフトやミドルウエアの購入を指すものとして回答を求めた。

図2-2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1137)
図2-2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1137)

 回答者のうち,自社の情報システム担当者の勤務先の業種,所在地,上場の有無,担当システムの利用就業者規模の比率は図示した通り。業種別は「製造業」が31.8%(前回2008年10月調査では30.7%,2008年5月調査では34.3%),「流通業」が9.8%(前回9.1%,5月調査10.9%),「サービス業」が42.0%(前回41.1%,5月調査36.4%)。

 回答者の勤務先の所在地(脚注参照)は「東京都」が最多の38.9%(前回37.1%,5月調査36.4%)。次いで「関東(東京を除く)」の16.4%(前回16.8%,5月調査16.0%),「近畿」16.0%(前回15.4%,5月調査15.5%),「東海・北陸・甲信越」が14.0%(前回15.0%,5月調査15.4%)で,さほど大きな変化は見られなかった。

 回答者の担当しているシステムの規模別では,“小規模”(利用者300人未満)の回答者の比率が47.0%(前回2008年10月調査47.7%,5月調査は50.7%),300人以上1000人未満の“中規模”が19.6%(前回20.3%,5月調査20.0%)でともに微減。1000人以上の“大規模”担当者の比率が32.2%(前回31.0%,5月調査29.3%)でやや増えた。

◆注
 本文中の「製造業」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。
 「サービス業」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計である。
 本調査で有効回答としている「情報システム担当者」は,所属する企業・組織で,『自社業務の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当』している人を指す。対象は全社システムに限らず,部門や事業所・拠点内の小規模な情報システムも含む。勤務先の所在地は,「全社の情報システム」の担当者は本社の,それ以外は担当の「事業所」「部門」「ワークグループ」の所在地を回答してもらった。
 所属が情報システム子会社でも,親会社のためではなく『自社の業務遂行のために行う自社の情報システムにかかわる業務を担当』していれば,本調査での「情報システム担当者」に該当するものとした。

図3-1●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の業種(n=1137)
図3-1●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の業種(n=1137)

図3-2●回答者のうち情報システム担当者の所属企業の所在地(n=1137)
図3-2●回答者のうち情報システム担当者の所属企業の所在地(n=1137)

図3-3●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の上場の有無(n=1137)
図3-3●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の上場の有無(n=1137)

図3-4●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の担当システムの利用就業者規模(n=1137)
図3-4●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の担当システムの利用就業者規模(n=1137)