所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当している情報システムの範囲を聞いた(複数回答)。「全社の情報システム」を担当しているとした回答者の比率は67.9%で,前回2009年6月調査(四半期予算調査,年度予算調査,ベンダー満足度調査,ベンダーへのイメージ/利用意向を実施)の66.4%からやや上昇した。前々回2009年3月調査(四半期予算調査,年度予算調査,ベンダー満足度調査,システム・インテグレータ満足度調査を実施)の61.7%がやや低かったのを除くと,2008年12月調査(四半期予算調査を実施)の67.6%,2008年11月調査(ベンダー満足度調査を実施)の65.2%,2008年10月調査(ベンダーへのイメージ/利用意向調査を実施)の64.1%と,ほぼこの比率は安定している。

 「部門の情報システム」担当の比率は38.2%(前回2009年6月調査は37.1%,前々回2009年3月調査は39.7%,2008年12月調査は36.1%,2008年11月調査は39.4%,2008年10月調査は37.9%)。「事業所の情報システム」担当は27.3%(前回2009年6月調査は27.6%,2009年3月調査は26.7%,2008年12月調査は28.5%,2008年11月調査は29.4%,2008年10月調査は25.5%)。「ワークグループの情報システム」担当の比率は21.3%(前回2009年6月調査は21.3%,2009年3月調査は24.9%,2008年12月調査は20.7%,2008年11月調査は22.9%,2008年10月調査は22.5%)だった。

図1●回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1127)
図1●回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1127)

 「担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階」(担当・関与しているシステム業務の中心は,システム・ライフサイクルのどの段階に最も近いか)で今回最も多くの回答者が選んだのは,前回2009年6月調査前々回2009年3月調査と同じ「運用/活用支援」の32.9%(前回は33.0%,前々回は32.1%),次いで「システム戦略立案」(今回21.4%,前回20.5%,前々回19.7%)。以下,「提案依頼(RFP)/業者選定/要求分析/要件定義」(今回18.1%,前回18.7%,前々回19.9%),「保守/修正/機能追加/廃棄」(今回15.5%,前回16.7%,前々回16.5%),「詳細設計/実装/テスト/移行」が今回12.1%(前回は11.1%,前々回は11.8%)。前々回調査と比較すると「システム戦略立案」の比率がやや高まり,「RFP~要件定義」の比率がやや落ちているが,前回調査との間では約1ポイント以内の変動に収まっている。

図2-1●担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階(n=1095)
図2-1●担当業務のシステム・ライフサイクル上での段階(n=1095)

 所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当分野を聞いた(複数回答)。前回2009年6月調査と比較すると,最も大きな比率の変動は「ハードウエア購入」を担当しているとした回答者の比率の約4ポイント増(前回48.4%→今回52.3%)。【目的別】の「運用・保守開発(信頼性向上,コスト・ダウン)」(前回35.0%→今回38.5%)と「新規システム開発」(前回29.5%→今回32.9%)も3.5ポイント前後増えた。前回と比べて最も比率が下がった担当分野は,【業務別】の「CRM・顧客関連」の約2.4ポイント減だが,前々回とほぼ同じ水準に戻った形である(前々回13.5%→前回16.2%→今回13.8%)。

図2-2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1127)
図2-2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1127)

 回答者のうち,自社の情報システム担当者の勤務先の業種,所在地,上場の有無,担当システムの利用就業者規模の比率は図示した通り。業種別は「製造業」が34.6%(前回2009年6月調査では32.8%,前々回2009年3月調査では31.3%,2008年12月調査では31.9%,2008年11月調査では31.8%,2008年10月調査では30.7%)で,前回に続いてやや高め。「流通業」は10.1%(前回9.8%,2009年3月調査7.7%,2008年12月調査10.9%,11月調査9.8%,10月調査9.1%)。「サービス業」は前回と同じくやや低めの37.1%(前回37.6%,2009年3月調査42.4%,2008年12月調査38.4%,11月調査42.0%,10月調査41.1%)。「サービス業」の中の「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」業種の比率が2009年3月調査(26.6%)に比べ前回(19.6%),今回(19.3%)は低い。

 回答者の勤務先の所在地(脚注参照)は,「東京都」が34.3%(前回2009年6月調査は35.3%,2009年3月調査は36.5%,2008年12月調査では37.0%)で最多。次いで今回は「近畿」がやや多く16.8%(前回14.4%,2009年3月調査14.9%,2008年12月調査は15.9%)で,「関東(東京を除く)」(16.7%,前回17.8%,2009年3月調査17.9%,2008年12月調査は37.0%),「東海・北陸・甲信越」(16.2%,前回15.0%,2009年3月調査,2008年12月調査はともに14.7%)とほぼ同率に並んだ。

 回答者の担当しているシステムの規模別では,“小規模”(利用者300人未満)システム担当者の比率が51.0%で前回の47.8%から上昇(2009年3月調査は48.7%,2008年12月調査は49.7%)。300人以上1000人未満の“中規模”システム担当者は18.1%(前回18.9%,2009年3月調査19.2%,2008年12月調査19.1%)。1000人以上の“大規模”システム担当者の比率が30.2%(前回32.5%,2009年3月調査31.2%,2008年12月調査30.4%)でやや下げた。

◆注
 本文中の「製造業」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。
 「サービス業」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計である。
 本調査で有効回答としている「情報システム担当者」は,所属する企業・組織で,『自社業務の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当』している人を指す。対象は全社システムに限らず,部門や事業所・拠点内の小規模な情報システムも含む。勤務先の所在地は,「全社の情報システム」の担当者は本社の,それ以外は担当の「事業所」「部門」「ワークグループ」の所在地を回答してもらった。
 所属が情報システム子会社でも,親会社のためではなく『自社の業務遂行のために行う自社の情報システムにかかわる業務を担当』していれば,本調査での「情報システム担当者」に該当するものとした。

図3-1●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の業種(n=1127)
図3-1●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の業種(n=1127)

図3-2●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の所在地(n=1127)
図3-2●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の所在地(n=1127)

図3-3●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の上場の有無(n=1127)
図3-3●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の上場の有無(n=1127)

図3-4●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の担当システムの利用就業者規模(n=1127)
図3-4●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の担当システムの利用就業者規模(n=1127)