調査内容 2008年第3四半期のIT予算の前年同期比増減(利用者規模別)
調査時期 2008年9月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3158件(1196件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業の情報システム担当者を対象に行った2008年9月調査で,2008年7月~9月四半期のIT予算の前年同期比を回答者の企業規模別(下の「■調査概要」参照)で集計したところ,大規模ユーザーと小規模ユーザーは前年同期比で平均4%のマイナス,中規模ユーザーはマイナス0.1%でほぼ前年同期なみという結果だった。大規模ユーザーの予算が前回の2008年6月調査(2008年第2四半期)での前年同期比プラス6.9%,前々回2008年3月調査(2008年第1四半期)でのプラス11.5%から,大きくダウンしたのが目立つ。

 回答の内訳を見ると,大規模ユーザーでは「90%以上110%以内(ほぼ前年同期なみ)」が前回2008年6月調査より約12ポイント縮小し,「前年同期比で(10%以上)予算増」の合計比率も約2ポイント減。「予算減」側の合計比率が急に拡大(前々回19.7%→前回19.9%→今回34.0%)している。

小規模は06年4Q,07年4Q,08年1Q以来の「1割が予算0」

 中規模ユーザーは前回調査で「前年同期比80%以上90%未満(1割~2割減)」と「110%超120%以内(1割~2割増)」がともに10%強(順に15.1%,12.3%)あったのに対し,今回はどちらも5.6%に減少。その分,「2割以上増」(約7ポイント増)と「2割以上減」(約4ポイント増)の両極の比率が拡大している。

 小規模ユーザーの回答の内訳は,どの選択肢もほぼ前回と3ポイント以内の増減だが,「完全に削減(ゼロになった)」がやや大きく3.3ポイント拡大して,10.9%を占めた。過去の「四半期予算の前年同期比増減率」調査の中で,小規模ユーザーの「ゼロになった」の回答の比率が1割を超えたケースは,2006年12月調査(2006年第4四半期)での11.3%,2007年12月調査(2007年第4四半期)での11.4%,前々回2008年3月調査での12.0%と,過去3回ある。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち,予算執行・承認権限を持つ人を対象に,執行・承認の権限を持つシステム予算(四半期分)の総計を聞いた。
 新規購入や開発中の案件がなく、四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い、減価償却費のみの場合、それらの本四半期分の総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが、自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「IT予算の前年同期比の平均」は,選択式回答(最も近いものを一つ選択)の「完全に削減」を-100%,「前年同期の50%未満にまで削減」を-75%,「50%以上80%未満にまで削減」を-35%,「80%以上90%未満」を-15%,「90%以上110%以内」を0%,「110%超120%以内」を+15%,「120%超150%以内」を+35%,「150%超200%以内」を+75%,「200%超」を+125%,「前年同期の予算はゼロ」を+200%に換算して加重平均した。
 「企業(利用者)規模」は「回答者が担当・関与する情報システムを利用している就業者数(従業員,パート/アルバイト,派遣就業者を含む)」を聞き,システムの利用者数1000人以上を大規模ユーザー,300人以上1000人未満を中規模ユーザー,300人未満を小規模ユーザーとしている。
 なお,2006年9月調査(2006年7月~9月期)は「全社情報システム担当者」の回答のみだったのに対し,2006年12月調査(2006年10月~12月期)からは「部門/事業所/ワークグループ・レベルの情報システム担当者」の回答も含んでいる。
 調査実施時期は2008年6月中旬,調査全体の有効回答は3163件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1207件。

図●最新四半期(2008年7月~9月)予算総計の前年同期比増減率(回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲の総額,利用者規模別)
図●最新四半期(2008年7月~9月)予算総計の前年同期比増減率(回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲の総額,利用者規模別)