調査内容 2007年第4四半期のIT予算の前年同期比増減(利用者規模別)
調査時期 2007年12月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2515件(1009件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスが企業の情報システム担当者を対象に行った2007年12月調査で,2007年10月~12月四半期のIT予算の前年同期比を回答者の企業規模(下記注釈参照)に比較したところ,システムの利用者数が「300人以上1000人未満」の中規模ユーザーが前年同期比12.5%の大幅増,「1000人以上」の大規模ユーザーが同3.3%の微増だったのに対し,「300人未満」の小規模ユーザーは同1.6%の微減という結果になった。前期(2007年7月~9月四半期,2007年9月調査)も「大・中規模ユーザーは四半期IT予算が前年同期比プラス(それぞれ4.7%増,5.3%増),小規模ユーザーはマイナス(4.6%減)」で,2007年下期は「大・中規模ユーザーが前年よりIT予算増,小規模ユーザーはIT予算減,ただし大規模と小規模ユーザーは1ケタ台前半の微増・微減」という投資傾向が続いたことになる。

 ちなみに2007年4月~6月期(2007年6月調査)は3区分ともプラスだが大・小規模が10%強,中規模は10%弱の前年同期比増加率。2007年1月~3月期(2007年3月調査)では中規模の回答数が30未満で参考値扱い(28.3%増)だが,大・小規模はほとんど前年同期比ゼロ成長(それぞれ1.3%増,0.7%増)だった。

平均値は大幅増だが,中規模ユーザーは「前年同期比予算減」の比率が拡大

 今回調査では,中規模ユーザーの前年同期比予算増の率がプラス側に突出しているが,実は3区分とも,「前年同期比で予算減」の回答者の比率が「予算増」の回答者の比率を上回っている。前回調査で中規模ユーザーは「予算増」とした回答者の合計比率が21.5%で「予算減」(17.8%)を上回っていたが,今回調査では22.1%対27.2%に逆転し「予算減」が多数派になった。

 内訳を見ると,「予算減」の側では小幅な「80%以上90%未満(2割以内の減少)」と「50%以上80%未満にまで削減」の比率がそれぞれ前回調査より3~4ポイント増えたのに対し,「予算増」の側では「前年同期の予算はゼロだった(今期は予算が付いた)」という回答の比率が5ポイント増えている。平均値に換算する際に「前年同期の予算はゼロ」のウエイト(係数)を大きく取っているため,平均値は2007年7月~9月四半期より大きく「前年同期比で予算増」の側に値が振れた格好だ。前々回2007年6月調査では,中規模ユーザーで「前年同期比で予算減」とした回答者の比率は8.8%だったので,「予算減」の回答者の比率は6カ月前の約3倍に増えたことになる(「予算増」は31.1%。2007年3月調査は回答数が30未満で参考値)

 ちなみに大規模ユーザーと小規模ユーザーは「予算増」,「予算減」の比率とも,前回調査と目だって大きな変化はないが,大規模ユーザーの「予算増」側がそれぞれの選択肢で前回より1ポイント前後増え,「ほぼ前年同期なみ」から合計で約6ポイント取り込んだ形で合計の比率を上げている。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち,何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に,執行・承認の権限を持つシステム予算(四半期分)の総計を聞いた。新規購入や開発中の案件がなく、四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い、減価償却費のみの場合、それらの本四半期分の総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが、自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「IT予算の前年同期比の平均」は,選択式回答(最も近いものを一つ選択)の「完全に削減」を-100%,「前年同期の50%未満にまで削減」を-75%,「50%以上80%未満にまで削減」を-35%,「80%以上90%未満」を-15%,「90%以上110%以内」を0%,「110%超120%以内」を+15%,「120%超150%以内」を+35%,「150%超200%以内」を+75%,「200%超」を+125%,「前年同期の予算はゼロ」を+200%に換算して加重平均した。
 「企業(利用者)規模」は,「回答者が担当・関与する情報システムを利用している就業者数(従業員,パート/アルバイト,派遣就業者を含む)」について聞いたものである。
 調査実施時期は2007年12月中旬,調査全体の有効回答は2515件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1009件。

図●最新四半期(2007年10月~12月)予算総計の前年同期比増減率(回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲の総額,利用者規模別)