調査内容 2007年第2四半期のIT予算の就業者別前年同期比増減
調査時期 2007年6月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 1661件(659件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った調査で,2007年4月~6月四半期のIT予算の前年同期比を,回答者の企業規模(下記注釈参照)ごとに比較した。前回2007年3月調査では,「1000人以上」の大規模ユーザーが前年同期比+1.3%,「300人未満」の小規模ユーザーが同+0.7%で,ともにほぼ前年同期並みだった。奇しくも,今回もこの両者は前年同期比の増加率が+12.3%と+12.4%で,ほとんど同じという結果になった。ちなみに前々回2006年12月調査では,大規模ユーザーは前年同期比-6.3%,小規模ユーザーは同+8.0%で,大きく違っていた。

 実は,今回の小規模ユーザーと大規模ユーザーの回答の内訳には,かなり大きな差がある。前回2007年3月調査では,大規模ユーザーも小規模ユーザーも,「前年同期より減少」側の回答の合計と「前年同期より増加」側の回答の合計がほぼ拮抗しており,円グラフが左右対称に近かった。

 今回は小規模ユーザーは「前年同期より減少」側の合計が25.5%,「前年同期より増加」側は23.7%で,拮抗してはいるがわずかに「前年同期より減少」とした回答者の数の方が多い。加重平均でのウエートが大きい「前年同期は予算ゼロだった」が8.5%と高め(7月31日付け記事に示したように,今回の全回答平均では「前年同期は予算ゼロ」は5.3%。前回の小規模ユーザーでは4.6%)だったことが,前年同期比の増加率を1月~3月期より10ポイント以上押し上げた原動力になっている。

 一方,大規模ユーザーは「前年同期より減少」側の合計が17.7%,「前年同期より増加」側は35.4%で,増加側の回答者の数が減少側の約2倍。前回も大規模ユーザーの増加側は34.4%だったので,こちらの比率はあまり大きく変化していない。「前年同期の50%未満にまで削減(5割以上の減少)」の比率が前回の12.5%から今回4.8%,「前年同期比80%以上90%未満(1割~2割の減少)」も前回の12.5%から今回3.2%に急減したのが,平均増加率が前回調査より11ポイント上がった主な要因である。

 「300人以上1000人未満」の中規模ユーザーは,前回2007年3月調査(+28.3%)が回答数不足のため参考値扱いで比較しにくいが,今回は大規模,小規模とは逆に,前回調査より約20ポイント低下した。それでも前々回2006年12月調査(+4.2%)の前年同期比増加率は上回っている。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち,何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に,執行・承認の権限を持つシステム予算(四半期分)の総計を聞いた。新規購入や開発中の案件がなく、四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い、減価償却費のみの場合、それらの本四半期分の総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが、自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「IT予算の前年同期比の平均」は,選択式回答の「完全に削減」を-100%,「昨年同期の50%未満にまで削減」を-75%,「50%以上80%未満にまで削減」を-35%,「80%以上90%未満」を-15%,「90%以上110%以内」を0%,「110%超120%以内」を+15%,「120%超150%以内」を+35%,「150%超200%以内」を+75%,「200%超」を+125%,「昨年同期の予算はゼロ」を+200%に換算して加重平均した。
 「利用者規模」は,「回答者が担当・関与する情報システムを利用している就業者数(従業員,パート/アルバイト,派遣就業者を含む)」について聞いたものである。
 調査実施時期は2007年6月中旬,調査全体の有効回答は1661件,うち情報システム担当者の有効回答は659件。

図●最新四半期(2007年4月~6月)予算総計の前年同期比増減率(回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲の総額,就業者規模別)