調査内容 主要ベンダーに対する利用意向
調査時期 2008年7月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3062件(1126件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った2008年7月調査では,情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業への利用意向を聞いたところ,ベンダーではヴイエムウェア(VMware日本法人)が「職務で接点がある」とした回答者のうち36.6%から「今後利用したい」と評価され,2位のマイクロソフト(27.5%)に約9ポイントの大差を付けた。

 SIerに対する「今後利用したい」評価の結果は明日21日の記事で紹介する。また22日~次週27日公開予定の記事では,「今後利用したい」の得票数上位ベンダー/SIerについての,『利用したい理由』の集計結果を報告する。

VMware,ウイングアークとも『利用したい理由』は「機能」が7割,「実績」が3割

 ベンダーに対する利用意向率でVMware,マイクロソフトに次ぐ3位に入ったのは,2007年7月調査で2位,2007年10月調査では首位の評価を得ながら,2008年1月調査前回2008年4月調査では下位に後退していたウイングアークテクノロジーズ。前回調査から11.4ポイント・アップの26.9%の支持を得て浮上した。前回と今回の調査でともに有効回答数30以上を得て比較可能なベンダー59社の中で,ウイングアークが唯一,前回調査より10ポイント以上「今後利用したい」率をアップした。

 前回調査から設問に加えた「そのベンダーを『利用したい理由』」への回答を見ると,ウイングアークを「利用したい」とした18票中,「製品/サービスの機能」が13票で圧倒的に多く,次いで「過去の導入/利用実績」の5票だった(複数回答)。これは首位のVMwareもほぼ同じ傾向で,34票のうち「製品/サービスの機能」が26票,次いで「過去の導入/利用実績」の11票,「コスト」6票などとなっていた。

 ベンダーに対する利用意向率4位は,ウイングアークとほぼ同率の26.8%を得たデル。前回調査の6位からランクは上がったが,利用意向率は前回(27.6%)よりわずかに下げている。5位のシスコシステムズ(25.4%)は前回から0.2ポイント増で4ランク上昇した。マイクロソフト,デル,シスコシステムズなどに対する『利用したい理由』は22日以後公開予定の記事で紹介する。

日本オラクルの「今後利用したい」が率,票数ともやや後退

 逆に,前回の利用意向率上位3社はいずれも大きくダウンした。前回首位(32.6%)のレッドハットは今回10.2ポイント下げて17位。前回2位(30.7%)の日本オラクルは7.7ポイント下げて15位,前回3位(29.8%)のイー・モバイルは8.1ポイント下げて21位。ちなみに前回と比較可能な59社の中で前回調査より10ポイント以上「今後利用したい」率が下がったのは,レッドハットとセイコーエプソン(前回23.9%→今回13.6%)の2社だった。

 今回の調査で有効回答数30以上を得た63社の「今後利用したい」率の単純平均は19.1%(前回は62社で19.3%)。各社の回答数を乗じた加重平均は21.3%(前回は21.8%)。全社の平均値で見ると,あまり「今後利用したい」という評価に変動はなかった。

 今回の「今後利用したい」の得票数上位は,マイクロソフト(242票),デル(187票),NTT東日本/NTT西日本(170票),日本ヒューレット・パッカード(157票),アドビシステムズ(142票)。マイクロソフトは2007年4月調査から今回調査まで6回連続の得票数トップ。前回得票数2位の日本オラクルはアドビに1票及ばず,富士通と並んで141票で6位タイだった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業各68社について,《今後利用したい》と感じるかを聞いた。対象ベンダーのビジネス領域に対して「対象ベンダーのビジネス領域と自分の職務領域には接点がある」としている回答者に,現在そのベンダーの製品を使っているかどうかを問わず,「今後利用したい」と感じているかどうかを聞いた。「接点がある」とした回答者の数nを100%として,n=30以上を得たベンダー63社を掲載した。
 今回2008年7月調査での評価対象ベンダー・リストを,前回2008年4月調査と比較すると「エクストリーム ネットワークス(日本法人)」「NECアクセステクニカ」「リード・レックス」「日本ビジネスオブジェクツ」「ジュニパーネットワークス」の5社が追加,ワークスアプリケーションズとBMCソフトウエア,日本SGI,日本デジタル研究所,TKCの5社が評価対象から外れている。日本BEAシステムズ(2008年5月実施のベンダー満足度調査で評価対象ベンダーに追加)は,今回2008年7月調査から,日本オラクルの評価対象の一部とするよう指定した。
 評価対象企業全136社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で近日中に公開する予定。
 調査実施時期は2008年7月中旬,調査全体の有効回答は3062件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1126件。

図●主要システム関連ベンダー63社に対する「利用希望」
図●主要システム関連ベンダー63社に対する「利用希望」
(「対象ベンダーのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=30以上)