調査内容 主要インテグレーターに対する「存在感」「勢い」のイメージ
調査時期 2008年1月下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2414件(1035件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った2008年1月調査で,「強い存在感がある」「会社に勢いがある」と感じるかをシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業各68社について聞いたところ,「存在感」(図の横軸)では野村総合研究所(NRI)やNTTデータ,日本アイ・ビー・エム・サービス(ISC-J)が,「勢い」(図の縦軸)ではNECシステムテクノロジー(NEC-ST)やNRI,住商情報システム(SCS)などが高い評価を得た(「ベンダー」編は2月22日付けの記事を参照)。

 有効回答(対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点があるとした回答者)を30票以上得たSIer39社の中で,「強い存在感がある」と評価された比率が最も高かったのは,前々回2007年7月調査前回2007年10月調査に続いて野村総合研究所(NRI)。NRIは前回調査でも有効回答数30の参考値落ち寸前ながら首位。今回も回答数39と少なめだが,前々回(53.1%),前回(63.3%)と同様に50%超の53.8%の回答者から「強い存在感がある」との支持を得た。

 続く2位のNTTデータも3回連続でこの位置をキープ。「存在感」評価の支持率が過去4回の調査でほとんど変わらない安定感(今回49.6%,前回2007年10月調査49.8%,前々回2007年7月調査は50.0%。2007年4月調査は49.5%で首位)は,SIer業界最大手の面目躍如といったところか。「存在感」の3位も前回,前々回調査と同じISC-J(48.9%,前回47.7%,前々回は49.0%)。これまたNTTデータと同じく支持率にブレが少ない。

 この3社から少し水が開いて,今回はNTTコムウェア(41.2%)と東芝ソリューション(40.0%)が40%台の支持を得て「存在感」評価のトップ5に浮上した。ただし両社とも前回調査は回答数30に満たず参考値落ち組だった(あくまで参考値だが,それぞれ前回2007年10月調査で47.4%,37.0%と高い数字を得てはいる)。

 これに対し縦軸の「勢い」は,前回調査で首位のキヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ,前々回調査は17.3%,前回16.0%)が,今回も安定した支持率16.3%を得ているにもかかわらず,なんと16位(回答数100以上のグループでも6位)に後退。多くのSIerが支持率を大きく上げたため,上位の順位が激動している。

「勢い」は回答数100以上の大手SIerも軒並み5ポイント前後上昇

 「勢い」のトップ3を占めたNEC-ST(30.0%)やNRI(25.6%),SCS(20.6%)はいずれも回答数40未満での上位進出だが,NRIとSCSはともに前回調査より約16ポイントも「勢い」の支持率がアップしている。NEC-STに至っては,前回調査での有効回答数が30未満で参考値だが「勢いがある」の得票は前回ゼロだった。

 さらに今回調査での「SIerの勢い」への評価の変動は,有効回答数100以上のグループにも及んでいる。4位に入ったTIS(今回19.8%)と5位の大塚商会(同19.1%)は,ともに前回調査では約13%の支持率で,約6ポイントのアップである。このほか有効回答数100以上のNTTデータ(今回18.1%),オービック(同17.4%),新日鉄ソリューションズ(同17.1%)も,前回調査から4~5ポイント上昇した。

 前回調査と比較可能な(2回とも有効回答数30以上の)SIer26社中,「存在感」の支持率を5ポイント以上上げたのは,兼松エレクトロニクス(前回18.2%,今回24.7%)の1社のみ。「存在感」支持率を上げたSIerは他に6社あるが,いずれも2ポイント未満の小幅なアップだ。逆に「存在感」スコアを下げた方では,前述のNRIを含めて11社が5ポイント以上下げている。他方,「勢い」の支持率は前回調査よりアップしたSIerが21社でダウンが5社。前述のNRIとSCSのほか,東芝情報機器(前回5.7%,今回18.8%)とNECネクサソリューションズ(前回6.7%,今回17.8%)の計4社が「勢い」の支持率を10ポイント以上上げて上位に進出している。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,システム・インテグレーター(SIer)の主要企業68社について,《会社に勢いがある》《強い存在感がある》と感じるかを聞いた。評価対象(「接点がある」とした回答者数30以上)のSIer39社(総回答数4024)に対する,「勢いがある」という評価の単純平均は14.4%(各社の回答数を乗じた加重平均は14.1%,2月22日付けの記事で紹介したベンダー53社平均は単純19.0%,加重18.5%),「存在感がある」という評価の単純平均は27.4%で加重平均は30.0%(同42.5%,52.6%)だった。
 2007年1月調査では,回答者が対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とし,かつ対象のSIerについて《今後利用したい》《会社に勢いがある》《強い存在感がある》のいずれかを「はい」とした回答者の数nを100%とした時の比率を使用,n=30以上を得たSIer15社を掲載した。
 2007年4月調査から,集計方式を少しシンプルにし,対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とした回答者を母数(100%)としている。前々回2007年7月調査前回2007年10月調査,それに今回の2008年1月調査の集計でも,この方式を採用した。
 2008年1月調査では評価対象のインテグレータ(SIer)のリストを一部見直した。前回2007年10月調査からベンダー・リストに収容しているリコーをSIerのリストから除外,「CSKシステムズ(CSKコミュニケーションズ,CSK-ITマネジメントなどを含む)」を復活させている。評価対象企業全136社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で近日中に公開する予定。
 調査実施時期は2008年1月下旬,調査全体の有効回答は2414件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1035件。

図1●主要システム・インテグレータ39社に対するイメージ(「対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=100以上の18社)
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図2●主要システム・インテグレータ39社に対するイメージ(「対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=30以上100未満の21社)
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■変更履歴
調査概要中で「勢いがある」と「存在感がある」という評価の平均値を逆に表記していました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/05/09 10:50]