「会社の勢い」でNTTデータがトップ，「存在感」は野村総研がNTTデータから奪首

日経マーケット・アクセス

2007.09.14

調査内容	主要インテグレーターに対する「存在感」「勢い」のイメージ
調査時期	2007年7月中旬
調査対象	ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答	2026件（794件）（　）内は情報システム担当者の有効回答数

　日経マーケット・アクセスが，ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った2007年7月調査では，ITベンダーとシステム・インテグレーター（SIer）の主要企業各68社について，「強い存在感がある」「会社に勢いがある」と感じるかを聞いた（「ベンダー」編は昨日9月13日付けの記事を参照）。その結果，有効回答数30票以上を得たSIer34社の中で，「存在感」のトップは業界最大手のNTTデータの4連覇を野村総合研究所（NRI）が阻止。しかし「勢い」では，そのNTTデータが急浮上して，初回2006年10月調査以来のトップに返り咲いた。

　横軸の「存在感」の上位は，NRI（53.1％），NTTデータ（50.0％），日本アイ・ビー・エム・サービス（ISC-J，49.0％），富士ゼロックス（47.4％）。NTTデータは同じ基準で集計した前回2007年4月調査より0.5ポイント・アップしたが，11.4ポイント増のNRIに追い抜かれた。回答数100以上のグループでは，前回はNTTデータと6.2ポイント差だったISC-Jが1ポイント差に接近した一方で，大塚商会が前回の42.1％から今回は37.3％に後退した。この回答数100以上のグループで，前回2007年4月調査より「存在感」スコアを最も伸ばしたのはオービック（前回20.6％，今回27.5％），最も減らしたのはNECフィールディング（前回33.7％，今回27.2％）。なお，前回調査で「存在感」50.0％を獲得したNTTソフトウェアは，今回は回答数が30に満たず，対象外となった。

　縦軸の「勢い」の上位は，NTTデータ（17.7％）がキヤノンマーケティングジャパン（17.3％）を僅差で上回りトップ。次いで大塚商会（16.1％）と富士ゼロックス（15.8％）が僅差の3位争い，5位はISC-J（15.0％）にNTTコムウェア（14.7％）が肉薄した。ただしNTTコムウェアは回答数34でぎりぎりのランク入り。回答数100以上のグループでISC-Jの次に位置するのは，前回より4.8ポイント・アップした新日鉄ソリューションズ（NSSOL，13.3％）だった。

　回答数100以上のグループで「勢い」のスコアを前回調査から最も伸ばしたのは，このNSSOL。次は日立情報システムズの2.0ポイント増（前回8.6％，今回10.6％），最も減らしたのはNECソフトの7.0ポイント減（前回17.4％，今回10.4％）である。そのほか，今回首位のNTTデータは前回より1.8ポイント増，前回首位で今回3位に下がった大塚商会は4.7ポイント減だった。

■調査概要
　日経マーケット・アクセスが，ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に，システム・インテグレーター（SIer）の主要企業68社について，《会社に勢いがある》《強い存在感がある》と感じるかを聞いた。
　初回2006年10月調査では，全有効回答者を母数（100％）として，対象のSIerについて《会社に勢いがある》《強い存在感がある》と感じると回答した比率を紹介した。ただしこの集計方法は各SIerの知名度に結果が左右されたため，前々回2007年1月調査以後の集計では，「対象SIerを認知している」回答者を母数（100％）とする集計に変更している。
　2007年1月調査では，回答者が対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とし，かつ対象のSIerについて《今後利用したい》《会社に勢いがある》《強い存在感がある》のいずれかを「はい」とした回答者の数nを100％とした時の比率を使用，n=30以上を得たSIer15社を掲載した。
　前回2007年4月調査では，集計方式を少しシンプルにし，対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とした回答者を母数（100％）としている。今回（2007年7月調査）の集計でもこの方式を採用した。
　2007年4月調査から評価対象のベンダー/SIerリストを見直し，ベンダーではグーグル，アマゾンジャパン，楽天，ヤフー，USENなど，SIerではアビーム　コンサルティング，アクセンチュア，ベリングポイント，EDSジャパン，菱洋エレクトロ，丸紅インフォテックなどを評価対象外とした。今回の7月調査では評価対象のベンダー/SIerリストに各3社を追加。ベンダーではアッカ・ネットワークス，インフォプリント・ソリューションズ・ジャパン（旧IBMプリンティング・システムズ事業部），アラクサラネットワークス，SIerではアイ・ティ・フロンティア，シーエーシー（旧コンピュータアプリケーションズ），NECトータルインテグレーションサービス（旧日電東芝情報システム）である。評価対象企業全136社のリストは，本調査の設問の原文とともに，日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で公開している。
　調査実施時期は2007年7月中旬，調査全体の有効回答は2026件，「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務（企画立案・設計・開発・運用・予算承認など）を担当している」とした実質的な有効回答は794件。