調査内容 主要ベンダーに対する「存在感」「勢い」のイメージ
調査時期 2007年7月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2026件(794件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った2007年7月調査では,情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーターの主要企業各68社について,「強い存在感がある」「会社に勢いがある」と感じるかを聞いた。このうち,有効回答(下記の注釈を参照)30票以上を得た主要ベンダー50社についての,「存在感」「勢い」の評価を相関図の形にまとめた。

 横軸の「存在感」は,前回2007年4月調査に続き,今回も「マイクロソフト」がトップ。前回の75.0%から今回は79.9%と,安定して高い支持を得ている。

 「存在感」2位も前回と同じく「日本オラクル(ハイペリオン,シーベル,ピープルソフト,JDエドワーズなどを含む)」で76.1%。これも前回の74.0%と目立った差はない。3位グループは前回とほぼ同率の「SAPジャパン」(67.9%,前回66.5%)と「日本IBM」(67.2%,前回67.3%)に加えて,「シスコシステムズ」(68.0%,前回61.0%)と「アドビシステムズ」(65.3%,前回60.6%)の2社が「存在感」の支持率を高めて食い込んだ。

 縦軸の「勢い」では,前回2007年4月調査で2位(35.8%)の「セールスフォース・ドットコム(SF.com)」が36.8%でトップ。次いで前回4位の「ソフトバンクモバイル(SBM)」(36.1%,前回34.0%),3位が「サイボウズ」(34.7%,前回も34.7%)で,前回に引き続き上位を占めた。

 今回最も目だった変化は,「アップルジャパン」の失速。前回は「勢い」で唯一40%台を獲得し断トツだった(34.6%,前回48.7%)が,今回は大きく12ポイントも支持率を落とし,トップ3から陥落した。とはいえ,3位サイボウズとは僅差で,5位のKDDI(au、パワードコムを含む。今回30.6%,前回33.0%)との間には水が開いている。

SBモバイルとウィルコムの「存在感」,アップルとCAの「勢い」が低下,シャープは両軸とも失墜

 ちなみに,前回(有効回答30以上は44社)との比較で,「存在感」のスコアが最も上昇したのは,今回調査で有効回答数100以上を得たベンダーの中では,上記の7ポイント増のシスコシステムズ。有効回答数30以上では,意外にも「三菱電機」(今回48.6%,前回37.5%)と「松下電器産業」(今回57.5%,前回47.6%)の2社が,SF.com(今回31.0%,前回23.9%)の約7ポイント増を上回った。

 逆に「存在感」のスコアが最も下落したのは,今回の有効回答数100以上ではトレンドマイクロ(今回46.5%,前回51.9%)。有効回答数30以上ではSBMが19.6ポイント・ダウン(今回34.4%,前回54.0%),次いでウィルコム(今回29.2%,前回45.9%),シャープ(今回30.5%,前回45.0%)も「存在感」のスコアを大きく落とした。

 一方,「勢い」のスコアが最も上昇したのは,これまた意外にも「NTTコミュニケーションズ」(今回20.3%,前回11.8%)。有効回答数30以上100未満の「ターボリナックス」(今回13.7%,前回5.6%)を挟んで,スコア上昇の3位は「NTTドコモ」(今回20.6%,前回13.1%)。大幅にポイント・アップしても,3社とも「勢い」のスコア自体は中~下位に位置している。

 「勢い」のスコアが最も下落したのは,上記の約14ポイント減のアップルジャパン。次いで前回の15.4%から今回ついに2.7%にまで転落した日本CA(ただし「勢い」スコアの今回の最下位は,0%の「ジャストシステム」である)。「勢い」スコアを3番目に大きく下げたのは,「存在感」も大きく下げたシャープ(今回15.3%,前回25.0%)である。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,情報通信製品/サービス・ベンダーの主要企業68社について,《会社に勢いがある》《強い存在感がある》と感じるかを聞いた。
 前々回2007年1月調査の集計では,回答者が,対象ベンダーのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とし,かつ対象ベンダーについて《今後利用したい》《会社に勢いがある》《強い存在感がある》のいずれかを「はい」とした回答者の数nを100%とした時の比率を使用,n=30以上を得たベンダー22社を掲載した。
 今回(2007年7月調査)の集計では,前回2007年4月調査と同じく,対象ベンダーのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とした回答者の数nを100%とした時の比率を使用している。
 2007年4月調査から評価対象のベンダー/SIerリストを見直し,ベンダーではグーグル,アマゾン ジャパン,楽天,ヤフー,USENなど,SIerではアビーム コンサルティング,アクセンチュア,ベリングポイント,EDSジャパン,菱洋エレクトロ,丸紅インフォテックなどを評価対象外とした。今回の7月調査では評価対象のベンダー/SIerリストに各3社を追加。ベンダーではアッカ・ネットワークス,インフォプリント・ソリューションズ・ジャパン(旧IBMプリンティング・システムズ事業部),アラクサラネットワークス,SIerではアイ・ティ・フロンティア,シーエーシー(旧コンピュータアプリケーションズ),NECトータルインテグレーションサービス(旧日電東芝情報システム)である。評価対象企業全136社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で公開している
 調査実施時期は2007年7月中旬,調査全体の有効回答は2026件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は794件。

図1●主要情報通信(ICT)製品/サービス・ベンダー50社に対するイメージ
(「対象ベンダーのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=100以上の24社)
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図2●主要情報通信(ICT)製品/サービス・ベンダー50社に対するイメージ
(「対象ベンダーのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=30以上100未満の26社)
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