調査内容 主要インテグレーターに対する「存在感」「勢い」のイメージ
調査時期 2007年10月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2173件(877件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った2007年10月調査では,ITベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業各68社について,「強い存在感がある」「会社に勢いがある」と感じるかを聞いた(「ベンダー」編は11月16日付けの記事を参照)。

 その結果,有効回答(対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点があるとした回答者)30票以上を得たSIer27社の中で,「強い存在感がある」と評価された比率が最も高かったのは,前回2007年7月調査に続いて野村総合研究所(NRI)。NRIは有効回答数30で参考値落ち寸前だったが,前回(53.1%)より約10ポイント上昇した63.3%で,前回に続き2位のNTTデータ(49.8%,前回は50.0%)との差を広げた。

 図の横軸で示している「存在感」の3位も,前回と同じ日本アイ・ビー・エム・サービス(ISC-J,47.7%,前回は49.0%)。大塚商会が前回2007年7月調査での失地を取り返す41.0%(前回は37.3%で6位,前々回2007年4月調査は42.1%で4位)で4位に上がり,前回とほぼ同じ40.1%を得票した伊藤忠テクノソリューションズ(CTC,前回は39.7%で5位)が5位。上位5社の顔ぶれは前回7月調査と同じだった(前回4位の富士ゼロックスを今回調査からベンダーとしての評価対象に移したため,比較上はCTCが前回4位で大塚商会が前回5位となる)。

 前回調査と比較可能な(2回とも有効回答数30以上の)25社中,「存在感」のスコアを10ポイント以上上げたのは,前述のNRIのほか,ネットワンシステムズ(前回18.4%→今回30.3%)とTIS(同18.0%→30.1%)の中位2社。最も「存在感」を下げたのは日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)の約7ポイントダウン(同35.0%→28.1%)だった。

 しかし縦軸の「勢い」のスコアでは,その日立ソフトが前回調査と比較可能な25社中,最大の約13ポイントアップ(同2.5%→15.6%)をマーク。回答数32とこれも参考値落ち寸前ながら,首位キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ,前回17.3%,今回16.0%)に次ぐ2位に進出した。「勢い」スコアの同率2位(15.6%)には,富士通システムソリューションズ(Fsol)が日立ソフトと同じ回答数32の参考値落ち寸前で食い込んでいる。

 回答数100以上のグループでの「勢い」のスコアは,キヤノンMJに続く2位がCTC(14.3%,前回は11.3%で同グループの8位)で,前回首位のNTTデータ(14.0%,前回は17.7%)を僅差で上回った。図示したようにこの回答数100以上のグループで「勢い」のスコアが10%ラインに届かなかったのは国産大手ベンダー系列の4社で,いずれも前回より「勢い」のスコアを1~3ポイント落としている(富士通エフサスが前回10.1%→今回8.9%,日立情報システムズが同10.6%→7.3%,NECフィールディングが同8.9%→今回5.9%,富士通ビジネスシステムが同6.8%→5.2%)。

 これに対して「勢い」のスコアを5ポイント以上上げたSIerは,回答数100以上のグループには1社もなし。回答数30以上100未満のグループでは前述の日立ソフトと,日立ソフトとは逆に「存在感」でも大きくスコアアップしたTIS(前回5.6%→今回13.3%)の2社だけだった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,システム・インテグレーター(SIer)の主要企業68社について,《会社に勢いがある》《強い存在感がある》と感じるかを聞いた。
 2007年1月調査では,回答者が対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とし,かつ対象のSIerについて《今後利用したい》《会社に勢いがある》《強い存在感がある》のいずれかを「はい」とした回答者の数nを100%とした時の比率を使用,n=30以上を得たSIer15社を掲載した。
 前々回2007年4月調査からは,集計方式を少しシンプルにし,対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とした回答者を母数(100%)としている。前回2007年7月調査,そして今回の2007年10月調査の集計でも,この方式を採用した。
 2007年10月調査では評価対象のベンダー/SIerリストを見直した。ベンダー・リストには従来SIerに分類していたリコーと富士ゼロックスを追加したほか,TKC,PFUの2社を追加。日本NCRを2007年9月の分社に伴い,日本テラデータと日本NCR(日本テラデータを除く)の2社に入れ替え。アラクサラネットワークス,ノーテルネットワークス,アライドテレシス,応研の4社を評価対象から外し,従来ベンダーに分類していたアルプス システム インテグレーション(ALSI)をSIerに分類変更した。SIerリストからは富士ゼロックスが抜け,三菱総合研究所(旧ダイヤモンドコンピューターサービスを含む)と,従来ベンダーに分類していたALSIを追加した。評価対象企業全136社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で公開している。
 調査実施時期は2007年10月中旬,調査全体の有効回答は2173件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は877件。

図1●主要システム・インテグレータ27社に対するイメージ(「対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=100以上の15社)
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図2●主要システム・インテグレータ27社に対するイメージ(「対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=30以上100未満の12社)
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