所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当している情報システムの範囲を聞いた(複数回答)。今回も前回2007年12月調査とほぼ同じく,約3分の2の回答者が「全社の情報システム」,4割強が「部門の情報システム」担当,約3割が「事業所の情報システム」,約25%が「ワークグループの情報システム」を担当している。「事業所」が前回調査での値より1.7ポイント増,残り3分野は1ポイント以内の微減だった。

図1●回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1035)

 所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当分野を聞いた(複数回答)。今回は全般的に,担当分野についての回答率が前回調査と比べて下がっている。

 業務(アプリケーション)系8分野(「その他」を除く)では,今回も最も多いのは会計システムを担当しているとした回答者で23.9%。ただし前回2007年12月調査からは約3ポイント減った。「人事・給与」も前回調査での値から3.4ポイント減少。「CRM・顧客関連」が2.5ポイント減,「経営戦略系」も約2ポイント減だった。

 業務横断的なシステムのインフラ7分野(「その他」を除く)も,「ネットワーク」系が前回調査より約8ポイント減少しているのを筆頭に,「セキュリティー」が7.2ポイント減,「情報系」が6.5ポイント減,「インターネット系」と「ストレージ系」が約4ポイント減。その他の2分野は0.5ポイント以内の増減である。ハード購入担当者の比率は前回調査より8.1ポイント減,ソフト購入担当は6.8ポイント減少した。

 これらに比べると「新規システム開発」,「既存システムの再構築」,「運用・保守開発」の担当者の比率は前回調査とあまり変化していない(順に2.7ポイント減,0.9ポイント減,0.1ポイント増)。

◆注
 図中の「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」は/ビジネス・コンティニュイティ分野,「運用・保守開発」は信頼性向上やコストダウンを目的とするソフトの維持改良を含む。「ソフトウエア購入」はアプリケーション・ソフトやミドルウエアの購入を指すものとして回答を求めた。

図2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1035)

 回答者のうち情報システム担当者の勤務先の業種,所在地,上場の有無,担当システムの利用就業者規模の比率は図示した通り。最近の本調査の中では「製造業」,「大規模」,「上場企業」の回答者の比率が高めとなった。

 業種別では,「製造業」が今回3分の1を超えて34.3%(前回2007年12月調査は30.5%,前々回2007年11月調査は30.4%,2007年10月調査では30.8%,2007年9月調査では29.5%)を占めた。「流通業」は9.4%(同10.1%,12.7%,11.2%,9.9%),「サービス業」は38.9%(同39.5%,39.8%,40.5%,42.4%)でさほど大きく変動していない。「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」業種の回答者は今回はやや少なく23.4%(同25.9%,24.4%,26.8%,27.4%)だった。

 回答者の勤務先の所在地(脚注参照)は前回とあまり変わらず,今回も4割弱が「東京都」。次いで「関東(東京都を除く)」と「近畿」と「東海・北陸・甲信越」がそれぞれ15%前後を占めている。

 回答者の担当しているシステムの利用者規模は,300人未満が今回やや少なく49.4%(同53.5%,51.5%,51.3%,53.2%)。300人以上1000人未満は18.8%(同17.8%,20.0%,18.8%,17.9%)。1000人以上の比率は30.2%(同27.5%,27.3%,28.6%,28.2%),上場企業の比率は33.0%(同27.3%,28.5%,28.1%,28.6%)。特に「一部上場」の回答者の比率が,前回調査の20.5%から今回24.3%へと高まっている(前々回は21.6%,2007年10月調査は21.2%,2007年9月調査は21.4%)。

◆注
 本文中の「製造業」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。
 「サービス業」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計である。
 なお,本調査で有効回答としている「情報システム担当者」は,所属する企業・組織で,『自社業務の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当』している人を指す。対象は全社システムに限らず,部門や事業所・拠点内の小規模な情報システムも含む。勤務先の所在地は,「全社の情報システム」の担当者は本社の,それ以外は担当の「事業所」「部門」「ワークグループ」の所在地を回答してもらった。
 所属が情報システム子会社でも,親会社のためではなく『自社の業務遂行のために行う自社の情報システムにかかわる業務を担当』していれば,本調査での「情報システム担当者」に該当するものとした。

図3-1●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の業種(n=1035)

図3-2●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の担当システムの所在地(n=1035)

図3-3●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の上場の有無(n=1035)

図3-4●回答者のうち情報システム担当者の所属企業・組織の担当システムの利用就業者規模(n=1035)