オービックビジネスコンサルタント(OBC)は2009年11月30日、ERP(統合基幹業務システム)パッケージ「奉行V ERP」のIFRS(国際会計基準)対応ロードマップを公表した。2010年3月に「コンバージェンス対応」版、11年に日本の会計基準とIFRSに基づいた財務諸表を比較できる「移行期シミュレーション」版を出荷する。

 コンバージェンス対応では、10年4月以降の事業年度から適用になるコンバージェンス項目を中心に機能を強化する。セグメント情報の開示、資産除去債務の計上、過年度遡及修正、包括利益や廃止事業の開示といった新たな財務諸表の表示などの機能を追加する。

 移行シミュレーションでは、IFRSそのものを日本の会計基準として採用する強制適用(アダプション)時に日本基準とIFRSの財務諸表を比較できるようにする。日本の会計基準とIFRSの両方の情報を保持する「複数帳簿対応」や、IFRSに基づく新たな財務諸表を表示する機能などを用意する。

 IFRSのアダプションの実施や時期が正式に決定するのは2012年の予定だ(関連記事)。OBCはアダプションが正式決定した段階で、「アダプション対応」版も出荷する計画である。

 OBCはロードマップの発表と同時に、製品開発や顧客支援を担当する「IFRS推進委員会」を設置。委員会を中心に、IFRSに関する情報収集やノウハウの共有を進めていくという。