携帯電話機向けLinuxの開発推進団体LiMo Foundationは東京と英国で現地時間2008年8月4日,米MotorolaとNEC,パナソニックモバイルコミュニケーションズ(PMC)の3社が新たにソフトウエア基盤「LiMo Platform」ベースの携帯電話機7モデルを販売すると発表した。これにより,LiMo Platform対応端末は合計21モデルとなる。

 新モデルは,Motorolaの「MOTOZINE ZN5」と,NTTドコモ向けとなるNECの「FOMA N906i」「同N906iμ」「同N906iL」「同N706i」,PMCの「同P906i」「同P706iμ」。Linuxベースの携帯電話機向けソフトウエア・プラットフォーム「LiMo Platform Release 1」を採用する。

 LiMo Platformは,ハードウエアに依存しないオープンな携帯電話機向けプラットフォーム。第3世代(3G)/HSDPAローミング,GPS,テレビ視聴,動画ストリーミングなどの機能を実現可能。2008年下半期には,Java動作環境向けソフトウエア開発キット(SDK)などを公開する。現在「Release 2」仕様の策定に取り組んでおり,2008年終わりごろ完成させる予定(関連記事:携帯電話向けソフト基盤「LiMo Platform」が公開)。

 またLiMo Foundationは,新メンバー11社が加わり,参加企業数が50社を超えたと発表した。新メンバー企業は以下の通り。米Cellon,スイスEsmertec,米Freescale Semiconductor,中国Longcheer Holdings,韓国MIZI Research,フィンランドMovial,米PacketVideo,カナダSK Innoace,イタリアTelecom Italia,米VirtualLogix,中国ZTE。

 LiMo Foundationは,Motorola,NEC,PMC,NTTドコモ,韓国Samsung Electronics,英Vodafone Groupの6社が2007年1月に設立した業界団体(関連記事:Linuxベースの携帯電話機向けソフト基盤、推進団体「LiMo」が発足)。2008年7月には携帯電話機向けLinuxの標準化を目指す団体Linux Phone Standards(LiPS)Forumが合流し,勢力を強めている(関連記事:携帯電話向けLinux推進の2団体が統合,プラットフォーム統一へLiMoにLiPSが合流,携帯開発プラットフォームの収れんが加速)。

 LiMo FoundationとLiPS Forumの合併により,携帯電話機向けプラットフォームはLiMo Platformのほか,米Googleの「Android」,米Microsoftの「Windows Mobile」,英Symbianの「Symbian Foundation」,米Appleの「Mac OS X」(「iPhone」)の5つに収れんしたことになる(関連記事:Linuxは最も成長している携帯電話OS,40社が参加する統一基盤で普及を加速するモバイルOSを巡るLiMoとAndroidの競合ノキア,ドコモなどがSymbianプラットフォーム統一を発表)。

[発表資料(LiMo Platform携帯電話機)]
[発表資料(新メンバー)]