フィンランドのノキア,英ソニー・エリクソン,米モトローラ,NTTドコモは2008年6月24日,各社が独自に開発してきたSymbian OS上に構築されるアプリケーション・プラットフォームを統一するための組織「Symbian Foundation」を設立すると発表した。米AT&T,韓国LG電子,韓国サムスン電子,米テキサス・インスツルメンツ,英ボーダフォン,スイスのSTマイクロエレクトロニクスも参加する。

 現在,Symbian OSを利用するアプリケーション・プラットフォームとしては,ノキアの「S60」,モトローラおよびソニー・エリクソンの「UIQ」,NTTドコモの「MOAP(S)」の三つある。基本的に同じような仕組みを備えるが,API仕様や用意するコンポーネントに差異があり,それぞれのプラットフォームごとにアプリケーションを開発しなければならなかった。
 
 今回の統一によって,(1)携帯電話メーカーが端末のコスト低減および開発期間の短縮を実現できる,(2)携帯電話メーカーがグローバルに同一端末を販売できるようになる,(3)アプリケーション開発者の開発負担が減る――といった効果が期待できる。
 
 Symbian Foundationは2009年上半期に活動を開始する予定。それに向けて,Symbian OSの利用に関して企業間での対立を避けるためにノキアが英シンビアンの株式100%を2008年の下期に取得する。同時にノキア,モトローラ,ソニー・エリクソン,NTTドコモがS60,UIQ,MOAP(S)の資産を同団体に提供する。これらの資産は,Symbian Foudationの活動開始と同時期にメンバーに対して,ロイヤリティ・フリーで公開する。2010年に統一されたSymbian Foudation仕様のプラットフォームをメンバーに提供する予定。今後,出来上がったプラットフォームはオープンソースとしても提供していく。

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■変更履歴
記事の最終段落に「その後さらに2年かけて」オープンソースとして提供していくとありましたが,正しいオープンソースとしての提供時期は「今後」でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/06/24 19:50]