人気連載「大競争時代のソフト生産技術革命」が先週、最終回を迎えた。19回にわたって掲載してきた同連載は、日本を代表する大手システムインテグレータであるNTTデータの技術者が執筆を担当。ソフトウエア生産現場で今現在起こりつつある「革命」を解説したものである。
連載タイトルにもある「大競争時代」を迎えて、ソフトウエアの開発現場では絶えず変化するニーズに素早く対応するため、フィードバックサイクルを速めたり、さまざまな自動化技術を取り入れたりする動きを、積極的に進めている。連載ではそうしたトレンドについて、具体的な技術や方法論を交えながら紹介してきた。
例えば、ニーズに素早く対応するための手法として、第3回で「リーン・スタートアップ」、第4回で「アジャイル開発」、第5回で「継続的デリバリー」を取り上げている。
このうちアジャイル開発は、短いサイクルを繰り返しながらソフトウエアを開発していく手法である。ある開発サイクルで発生したフィードバックを次の開発サイクルに取り込むことで、伝統的なウォーターフォール型の開発手法よりもニーズの変化に柔軟に対応できるといわれている。第4回ではアジャイル開発の代表的な方法論である「Scrum」にもとづいて、プロジェクトの進め方や開発チームの構成を解説する。
第7回から第14回までは「ソフトウエア開発の自動化」がテーマである。設計、コーディング、テストなどの開発フェーズごとに自動化ツールの最新状況を取り上げる。連載の後半では、クラウドを利用した開発スタイル、ソフトウエア再利用などの話題も紹介している。
同連載をベースにした書籍は、今年10月には発行される予定だ。この分野に興味のある方には、ぜひ書籍をお読みいただきたいが、まずは以下の記事を読み返すことでソフトウエア開発現場で今起こりつつある「革命」を学んでみてはどうだろうか。
大競争時代のソフト生産技術革命
- ビジネスを“持続的な成長”に導く「フィードバック」モデル
- 具体化する「変化する要求への対応」と「開発速度と品質の両立」
- 新市場を拓きサービスを創る「リーン・スタートアップ」
- フィードバックを繰り返し変化に対応する「アジャイル開発」
- 最新ソフトを提供する「継続的デリバリー」
- 自動化、再利用、開発環境―ソフト生産技術の進歩がもたらす変化
- ビジネスロジックの可視化と資産の棚卸しで自動化ツールが活躍
- 整合性維持に2つのアプローチ、効率と制約はトレードオフ
- 抽象性と汎用性の両立から脱却、アプリの寿命と自由度がカギに
- 莫大なテスト工程を効率化、最適なツールで効率上げミス減らす
- 画面操作再現で人的負荷を軽減、再利用性と保守性も向上
- 自動化と可視化でプロジェクトを管理、進捗や品質が一目瞭然に
- ソースコードの修正を自動記録、レビュー自動化で作業を極小化
- システムの安定稼働を支援、確認・判断などを「機械任せ」に
- 煩雑な設定作業を代行、ミス再発を防ぎリソースを効率化
- クラウド活用で開発を変革、開発を高速化・高品質化
- 膨大な既存資産を活用、ITリソース活用でさらなる進化
- ソフトウエア開発の自動化で変わるプロセス、品質・構成管理も
- 「アプリの最適化」と「試作技術の活用」で変わる開発現場 ・連載終了にあたって