前回は業務システムにおいて最も重要ともいえるサーバーを取り上げ、「仮想化」の活用はサーバー運用管理において、すでに不可欠な要素であることを確認した。

 今回はPCについて考えてみる。クラウド活用によってサーバーが手元から離れたとしても、PCは依然としてオフィスに存在する。スマートフォンやタッチパネルなど端末の種類は増えていくと予想されるが、入出力端末としてのPCが完全になくなることはないだろう。

 本格的なクラウド時代が到来した時にPCの運用管理が足かせにならないよう、今の時点から中長期的な対策を考えておくことが重要といえる。

中堅・中小企業で多かった“Vista飛ばし”

 まず、下のグラフ(図1)をご覧いただきたい。これは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業および年商500億円以上の大企業に対し、「導入済みPCのOS」(複数回答可)を尋ねた結果である。

図1●導入済みパソコンのOS(複数回答可)
図1●導入済みパソコンのOS(複数回答可)

 まず目立つのがWindows XPの比率の高さだ。複数回答としているので、Windows XPのみを導入しているユーザー企業が8~9割存在するわけではない。何らかの形でWindows XPが残存しているケースが大多数を占めることを意味している。

 この結果を見ると、Windows XPの残存率は企業の年商が下がるにつれて高くなるが、同時にWindows 7への移行は中小企業で比較的早く進行していることがわかる。中堅・中小企業ではWindows VistaのPCハードウエアに対する要求スペックが高かったことから、Windows XP搭載機をそのまま継続利用する「Vista飛ばし」をしたケースが多かった。そのためWindows 7リリース時には、多くのPCが老朽化しており、早期の刷新が必要であったという背景がある。

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