初めての店で買物をするとき、もしくはサービスを利用するとき、インターネットでその店のレビューを確認するのは、もはや当たり前の行動として定着している。運営する企業にとってみれば、レビューがたくさんの顧客を集める決め手にもなれば、ビジネスの足を引っ張ることもある。
米BrightLocal社は、2010年から定期的に『Local Consumer Review Survey』と題して、消費者によるレビューに関する調査結果をまとめたレポートを発表してきた。2018年12月に発表した最新版のレポートでは、「米国の86%の消費者が、自分の住んでいる地域の店舗やサービスを利用する際には、何らかの形でインターネット上のレビューを確認する」と指摘している。これは2010年の数字(67%)と比べると20ポイント近くも高い。
レビューが特に若年層に大きな影響を与えていることも、調査から見えている。「インターネット上のレビューは、友人・知人からの個人的な紹介と同じように、常に信頼できる」という回答の割合は、年齢が低い層ほどなるほど高くなっている。
調査では「18〜34歳の層、いわゆるミレニアル世代やGen Z(Z世代)では約40%に達している」という。それが「35〜54歳の層では20%。55歳を超えると1%にしかならない」のだ。
しかし、ミレニアル世代やGen Zは一つのレビューだけで全てを判断しているわけではないようだ。この世代は自分たちが利用する店舗やサービスを選ぶ際に複数のレビューを見比べており、比べるレビューの数も年々増やしている。
上記のレポートでは「この世代が自信を持ってその店舗やサービスのよしあしを判断するために、57%が11件以上のレビューを参照している」と指摘している。これは他の世代と比べても高い。
ここまでこの世代の消費者が慎重になる背景にあるのが「虚偽のレビュー」の増加である。「この1年間で虚偽のレビューを目にしたことがあるか」という問いに「たくさん目にしている」と回答した消費者は、「ミレニアル世代やGen Zで57%」と突出している。
この数字は「35〜54歳では31%、55歳以上で10%である」という。ミレニアル世代やGen Zがどれだけレビューを慎重に見ているかが分かる。