顧客をどうやって獲得するか――。マーケティングの現場にいる人間が常に意識を払う大きなテーマの一つといえるだろう。
2018年11月に米Ascend2社が発表した『2019 Digital Marketing Strategies』と題されたレポートでは、「『顧客獲得の向上』がデジタルマーケティング戦略の優先順位で2番目に高い数字(55%)となっていた」という(編集部注:レポートは個人情報の入力後にダウンロード可能)。1位だった「売り上げ・見込み顧客・リードの向上(64%)」に次ぐ数値となった。
顧客獲得の向上には、いくつもの課題が立ちはだかっている。上のレポートで、自社のデジタルマーケティング戦略を成功させるための課題が多い項目を並べたところ、「顧客獲得の向上は46%で全体の3番目だった」という。マーケターにとって大きな悩みであり、課題も非常に多いのだ。
特に近年、デジタルマーケティングの広がりとともに、顧客獲得は難しさを増している。激化する他社との競争はもちろん、顧客獲得を効率化したり精緻化したりするための技術をキャッチアップし、自社の仕組みに反映することも重要な要素となってくる。
さらに、欧州で2018年5月に始まったGDPR(一般データ保護規則)に代表される制度に対して、素早くかつ的確な対応を求められる。その過程で、例えばプライバシー保護の観点などで、これまで通用していたやり方が許されなくなり使えなくなるケースも出現している。
2017年11月に英ダイレクトマーケテイング協会(DMA、米国のデータ&マーケティング協会とは別の組織)は「71%のマーケターがGDPRを創造的な機会として考えている」という調査結果を発表していた。これは裏を返せば、GDPR施行半年前にマーケターが“頭を使わなくてはならない”ことを意識していたとも読める。
実際のところマーケターは、「顧客獲得」を常に大きなプレッシャーとして感じているようだ。米SheerID社が2018年11月に発表した調査結果にも、その一端が見えている(編集部注:調査結果は個人情報の入力後にダウンロード可能)。
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