米国のB2B企業のマーケターは、将来の顧客との接点となるコンテンツを活用する「コンテンツマーケティング」を重要視している。自分たちの商材やサービスの良さを、採用する企業の担当者や意思決定者たちに伝える上で有効な手段と考えているからだ。

 しかしコンテンツマーケティングを本格的に展開するには、大きなリソースが必要となる。米Braftonが発表したデータによれば、「コンテンツマーケティングを担当しているマーケターの3分の2(67%)が『コンテンツ制作にはもっとリソースが必要だ』と回答した」という。ここまでリソースが不足する背景には、「商品(ブランド)の信頼を高めるためには、自分たちで制作したコンテンツが不可欠である」という考え方があるようだ。

 米Vennliが発表した調査結果によると、「米国のB2Bマーケターの半数以上(57%)が自分たちのブランドの信頼性を高めるためのコンテンツとして、『自社制作したコンテンツ』を挙げた」という(編集部注:調査結果は個人情報の入力後にダウンロードできる)。ブランドの信頼を高めるコンテンツとは、具体的には「事例」や「カスタマーサポート関連の文書」などを指している。これは「ソーシャルメディア上での知名度(44%)」や「広告(40%)」よりも高い数字となっている。

 コンテンツ制作が大きなリソースを必要とする一方で、「コンテンツマーケティングがうまくいっている」と実感しているマーケターは、それほど多くないようだ。米Heinz MarketingとON24が実施した調査結果からも、その実態が見える(編集部注:調査結果は個人情報の入力後にダウンロードできる)。

 同調査によると、「自社のコンテンツマーケティングが実際に効果を出している」と自信を持って回答した企業は、全体の4分の1程度でしかないという。さらに「全く効果が見えない」と回答したマーケターも20%に上っていた。

 マーケターたちがコンテンツマーケティングで効果が出ていないと考えているのは、「自分たちが顧客に合ったコンテンツを提供できていない」と自己分析しているからのようだ。同調査では、「『自分たちはターゲットとなる顧客にマッチしたコンテンツを作成している』と回答したマーケターは全体の5分の1程度でしかなく、『ビジネスの収益に大きく貢献している』と回答した企業は13%だった」と指摘している。

 手間ひまをかけてコンテンツを制作したとしても、読者から面白くないと評価される割合も高い。米WHMは企業の意思決定者に向けて実施したアンケートから、「回答者のほぼ半数(49%)が、『B2B向けサイトは消費者向けのサイトよりも面白くない』と感じている」と指摘している。

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