「米国のB2B企業の6割近く(58.6%)が、2019年のデジタルマーケティング関連予算を2018年よりも増やすと回答した」――。米Wpromoteがこんな調査結果を公開している(編集部注:調査結果は個人情報の入力後にダウンロードできる)。

 このデータから分かるのは、米国のB2B企業のデジタルマーケティングへの積極的な投資意欲だ。なお、「2019年に『予算が減る』という回答は3.6%で、『現状維持』は35.4%だった」という。

 同調査によると、B2B企業が予算を振り向けようとしているチャネルの首位は「ソーシャルメディア」で、58.9%(複数回答)の企業が支持していた。ソーシャルメディアの中で非常にリードにつながりやすいと評価を受けたのは、「Facebook(68.5%、複数回答)」だったという。

 その半面、「40%以上がMA(Marketing Automation)システムを導入していない」という結果も明らかにしている。さらに半数を超える(50.9%)の企業は、ターゲット企業を絞り込んだマーケティング施策である「ABM(Account Based Marketing)」を実践していないという。マーケティング予算をデジタルに振り向けているものの、広告やメール、ソーシャルメディアといった従来型の手法を活用する企業が多いようだ。

 このうちABMは、数年前から米国のB2B企業にとって、トレンドの一つとなっている。

 しかしその導入は容易ではない。2019年1月に、米信用調査会社ダン・アンド・ブラッドストリート(D&B)が発表した調査結果は、B2B企業が直面するABM推進の課題を指摘している。

 課題とは「戦略が不明瞭(35%、複数回答)」が一位で、「時間やリソースの不足(31%)」と「知識・理解の不足(29%)」が続いている(編集部注:調査結果は個人情報の入力後にダウンロードできる)。

 さらに、最新のテクノロジーを導入していても、それをうまく使いこなせていないという課題もあるようだ。D&Bの調査によると、「米国B2B企業の半数以上(57%)はMAツールを使用しているが、その半数以上が『基本的な機能しか使っていない』と回答した」というのだ。

 この状況はMAに限らない。マーケティングのための統合顧客データ基盤となる「CDP(Customer Data Platform)」やDMP「(Data Management Platform)」、Webサイトを構成するコンテンツを管理する「CMS(Content Management System)」でも、同様の結果が出たという。

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