2019年のB2B企業は、これまで以上に「MarTech」(マーケティングとテクノロジー)に予算を割くようになる――。米Spiceworksは、欧米350社の企業を対象に実施した調査で『2019 State of IT』でこんな予測をしている。

 Spiceworksの調査では、B2B企業が確保した2019年のマーケティング予算のうちMarTech関連分野が占める割合は約20%という。これは「イベント関連費用」や外部ベンダーやエージェンシーに支払う「アウトソーシング費用」と同程度となる。それだけの規模の予算をMarTechが占めていることに、驚く方も多いのではないだろうか。

 この調査では半数以上の企業(51%)が、「MarTech関連予算を前年(2018年)よりも増額した」と回答している。これはイベント関連費用を増やした企業の割合(37%)や、アウトソーシング費用を増やした企業の割合(32%)を上回っている。

 さらにMarTech費用を減額したのは5%だったのに対して、イベント関連費用とアウトソーシング費用は16%を超える企業が「減額させた」と回答した。この結果からも、B2B企業がマーケティング予算をMarTech関連に振り分けていることをイメージできる。

 2019年の企業の動きは、米ガートナーも2018年11月に発表したリポートで予測していた。「MarTechは、企業のマーケティング費用の3割弱(29%)を占めるまでに大きくなっている」とみており、「マーケティングリソースやプログラムの中で、最大にして唯一の投資領域である」と結論付けた。Spiceworksの発表データは、この流れがB2B企業で進むことを強調したのだ。

 Spiceworksのデータを深く掘り下げると、B2B企業がMarTechへシフトする背景が見えてくる。調査では「2019年に予想されるマーケティング組織の課題」を聞いているが、その中の「従業員1000人以上の企業」の回答が象徴的なものだった。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。