米Forrester Researchは,北米の6万8000を超える世帯に対して技術の導入と利用に関して調査した結果を米国時間8月2日に発表した。デバイス,メディア,通信,小売り,金融,医療部門における技術の導入と利用に関して調査が行われた。

 それによると,2010年までに米国世帯の62%に相当する7100万世帯がインターネットにブロードバンド接続するようになる。また,53%はノート・パソコンを所有し,37%はデジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)を利用するようになるという。

 Forrester社副社長のTed Schadler氏は,「消費者による個人向けデバイス,ホーム・ネットワーク,ブロードバンドの導入が進むとともに,メディア,小売り,銀行,医療においてインターネットの重要性が増加している。消費者に直面する業界は,技術の導入と利用の複雑さを理解する必要がある」とコメントしている。

 2004年に北米でブロードバンド接続をする世帯は,前年の19%から29%に増加している。低価格,ホーム・サポートの強化,利点の明確な説明といった要素がブロードバンド接続の成長を促進し,2010年までに,現在の2倍以上に相当する7100万世帯がブロードバンドを利用するようになるという。

 現在,ホーム・ネットワークを組んでいる世帯は8.8%に過ぎない。その大半は,複数のパソコンを持ちブロードバンドを利用している。同社は,テレビを見ながらネット・サーフィン,台所でショッピング,居間でデジタル音楽が聴けるといった利点により,2010年までに4650万世帯がホーム・ネットワークを導入するようになると予想している。

 同社によれば,メディアに関する習慣も技術の導入によって変化する。消費者のメディアとオンラインの振る舞いを見てみると,現在,ブログを読んでいるネット・ユーザーとRSSを利用するユーザーはそれぞれ6%と2%に過ぎないが,ネット・ユーザーの70%は製品の調査と購入にインターネットを利用している。ノート・パソコンを所有し,ホーム・ネットワークを組んでいる世帯は,テレビの視聴時間が1週間で3時間減り,新聞を読む時間も1週間でおよそ1時間減少するという。

 また,過去3カ月において43%の世帯がオンラインの銀行サービスを利用している。41%が残高照会を行っており,24%は振込みを行った。2004年には3950万世帯がオンラインで買い物をしている。Forrester社は,2010年までに,ブロードバンド,ノート・パソコン,ホーム・ネットワーキングの普及などがオンライン・ショッピングを促進し,5500万世帯がインターネットを利用した商品の調査や買い物を実施するようになると推測している。

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