米ネバダ州選出のJohn Ensign上院議員は,1996年に制定された電気通信法(Telecommunications Act of 1996)の改正に向けた法案「Broadband Consumer Choice Act of 2005」を提案した。同氏がワシントンDCで行われたプレス・カンファレンスにおいて米国時間7月27日に明らかにした。この法案は,ブロードバンド,衛星,携帯電話サービスに関する大幅な規制緩和を目的としている。

 Ensign氏は,「米国が情報時代において世界をリードしたいのならば,法令が技術の発展を引き留める足かせになってはいけない。この法案は,雇用を増やし,経済を刺激し,消費者の選択肢を増やすだろう」と述べている。

 法案には,ビデオ・サービスのプロバイダが,ケーブル・フランチャイズ契約を獲得しなければできないという規制の排除,消費者保護に向けた連邦基準の設定などが盛り込まれている。また,住民にブロードバンド・サービスの提供を望む地域の行政機関は,非公開会社が参加できるオープンな入札プロセスを経なければならないとしている。

 その他にも,州の規制機関,連邦通信委員会(FCC)のいずれも通信サービスに関する価格を設定すべきではなく,家庭に直接提供される衛星サービスも価格規制から免除されるべきであるとしている。また,ファイバの所有者は,ライバル企業に設備へのアクセスを与える必要はないとしている。

 制約事項としては,電話サービスを提供する通信事業者は,引き続き銅線によるアクセスを商用的に適切な条件で提供すること,ブロードバンド・プロバイダは,規制が整わない限りWebサイトを意図的に遮断しないことなどという内容も盛り込んでいる。

 同法案は,リベラル派のグループからの反対を受けることが予想されるが,Verizon社は支援を表明している。同社は,「同法案は世の中が変化しており,消費者を中心と捉える市場は政府が管理するよりもうまくいくことを認識している」とコメントしている。

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