米Intelと米Corningは,EUVリソグラフィ技術(超紫外線露光技術)に必要とされるULEガラス(超低熱膨張ガラス)のフォトマスク基板の開発で提携関係に入った。両社が米国時間7月6日に明らかにした。共同開発プログラムは,2009年にEUV技術を利用したチップ生産を開始するというIntel社の計画を支援するもの。

 これらの基板は,低欠陥のEUVフォトマスクを開発するために必要とされるものであり,これにより,EUVリソグラフィを利用した32nmノードの量産が可能になるという。

 Intel社リソグラフィ担当ディレクタのJanice Golda氏は,「EUVフォトマスクの欠陥レベルを引き下げることは,EUV技術の商用化で非常に重要な課題である。両社はこの問題にマスク基板で対応することを計画している。Intel社の光源,リソグラフィ機器,新しい感光性樹脂といった関連の取り組みとともに,高品質のEUVマスクの開発は,EUVリソグラフィを将来の主要技術にするために必要とされるインフラ作成を支援するだろう」とコメントしている。

 EUVリソグラフィツールは,チップ製造過程において半導体ウエーハ上に線を「引く」ツール。現在,193nmの波長を使ったリソグラフィ・ツールで50nmほどのトランジスタに線を引いている。これは,画家が太いブラシで非常に細い線を引くのに等しい。EUVリソグラフィ技術では,13.5nmの光の波長を使うため,将来的により小さいトランジスタに線を引くことが可能になるという。

 国際半導体技術のロードマップ(ITRS:International Technology Roadmap for Semiconductors)では,EUVリソグラフィは,現行の193nm世代のリソグラフィ・ツールの後に続く次世代リソグラフィの主要技術ソリューションになると予測している。

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