米NanoMarketsが,ナノスケールに対応した半導体製造装置に関する調査結果を米国時間6月30日に発表した。それによると,2005年における同装置の市場規模は4億ドルで,2010年には30億4000万ドルに拡大するという。
NanoMarkets社は,液浸リソグラフィや超紫外線(EUV)リソグラフィ,電子ビーム・リソグラフィ(EPL),ナノインプリント・リソグラフィ(NIL)といった新しいリソグラフィ技術と,ディップペン・ナノリソグラフィ(DPN)やインクジェット・プリンティングといった直接的なパターン形成手法について調べた。
主な調査結果は以下の通り。
・既存のリソグラフィ技術が置き換わる兆候は今後もない。32nm以降のプロセスでは,複数の手法を使用することになる
・45nmおよび32nmのプロセスは,国際半導体技術ロードマップ(ITRS:International Technology Roadmap for Semiconductors)の予測よりも早く広まる
・今後,半導体製造装置はマスクおよびディスプレイの製造や修復,生命化学分野,材料化学分野などで汎用ナノスケール装置として使われる機会が増える
・ナノチューブや導電性高分子といった新素材により,新たな製造装置の必要性が高まる
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