「『Solaris 10』は通信業界に最適で,多くの採用実績や対応計画がある」

 米Sun Microsystemsが,「当社のUNIX OS『Solaris 10 Operating System(OS)』は通信業界向け機能を備えており,多くの採用実績や対応計画がある」などと米国時間6月23日に発表した。Sun社によると,米Lucent Technologiesや米Verizon Communicationsといった通信機器メーカー/通信事業者がオープンソース版のあるSolarisを採用しているほか,50社以上の通信ソフトウエア/ハードウエア・ベンダーが対応を表明しているという。

 Solaris OSについて,Sun社ソフトウエア・グループ担当上級副社長John Loiacono氏は「世界各地の大手通信装置メーカー10社が使用しており,地球上で一番普及している最も安全なキャリア・グレードOS」と説明する。

 「カーネル・レベルでStream Control Transmission Protocol(SCTP)とSession Initiation Protocol(SIP)に対応している。さらに(問題分析/復旧機能)『Solaris Dynamic Tracing(DTrace)』,(パーティショニング機能)『Solaris Containers』,(エラー検出/自動修復機能)『Predictive Self-Healing』といった独特の機能を,SPARC/x86/x64システム上で利用できる。Solaris 10は,第3世代携帯電話ネットワークやIP統合ネットワークなど,次世代通信サービスに理想的なプラットフォームである」(同氏)

 なおSun社は,Solaris 10をオープンソース化し,ソースコードを「OpenSolaris」として公開した。Common Development and Distribution License(CDDL)と呼ぶライセンスを適用する。CDDLは,同社が策定し,1月14日にOpen Source Initiative(OSI)から承認されたオープンソース・ライセンス。Mozilla Public Licenseをベースに,省略/明確化して必要条件を簡素化するとともに,特許訴訟への耐性も高めたという。

 「同オープンソース・ライセンスをOSIが承認したことで,ネットワーク装置メーカーは安心して新しいソリューションを開発し,自社の条件を適用して提供できるようになる」(同社)

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