米Transmetaは,香港に拠点を置くCulturecom Holdingsの子会社Culture.com Technology(Culturecom)とCrusoeに関連する資産売却とライセンス契約に関して合意に達した。同社が米国時間5月31日に明らかにした。

 Transmeta社は,Crusoeに関連する技術資産をCulturecomに売却する。契約の一環として,Culturecom社は,中国でEfficeon技術をベースとした製品の製造と販売を行なうために,Transmeta社の130ナノメートル版Efficeon技術のライセンスを取得する。また,Culturecom社は,技術意向を円滑に行なうために,Transmeta社とエンジニアリング・サービス契約を結ぶ。

 Culturecom社は,資産買収とライセンス契約の前払い金として1500万ドルを支払う。その他にも,CrusoeとEfficeon製品の売り上げに応じてロイヤリティを支払う。

 取り引きは,2005年第4四半期に完了が予定されている。それまでに,米商務省からの技術輸出許可,Transmeta社と契約しているサードパーティの同意など,いくつかの条件を満たす必要がある。

 Transmeta社は,取り引きが完了するまでCrusoeと130ナノメータ版Efficeon製品の製造を継続し,契約分の出荷を完了させる予定。90ナノメータ版Efficeonプロセサは,引き続き戦略パートナ向けに提供する。

 Transmeta社は同年1月,新たな事業戦略を発表している。その中で,「Crusoe,Efficeonファミリといったx86対応マイクロプロセサの開発と販売を主軸にしている現在のビジネス・モデルを2005年第1四半期に修正し,知的財産と技術のライセンス供与に焦点を移していく」,という方向性を明らかにしていた。

 また,同戦略を推進するために,世界規模の民生電子機器メーカーと「LongRun2」のライセンス契約の締結に成功しており,電力管理技術のほか,マイクロプロセサ設計および開発に関してその他の大手企業と交渉中であることを明らかにしていた。

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