米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)は米国時間5月11日,無料の電子メール・サービス「AIM Mail」のベータ版を発表した。5月12日より,ベータ版の「AOL Instant Messenger(AIM)5.9」の一環として,AIMユーザーをはじめ広く一般に提供する。同ソフトウエアは,AOL社Webサイトよりダウンロード可能。

 メールの保存容量は2Gバイトで,ユーザーには「@AIM.com」のメール・アドレスが与えられる。スパムやウイルスの遮断機能のほか,メール・ボックスの検索機能を備える。

 同メール・サービスは,AIMと緊密に連携する。電子メールの送信者や受取人がインターネットに接続している際はアイコンで表示するため,電子メールやIMですぐにやり取りが行える。また,AIMと同じスクリーン名やパスワードを使ってサインオンできるほか,AIMのウェルカム・スクリーンやバディ・リストからも同メール・サービスを起動できる。

 メールの受取人がaol.comもしくはaim.comのアドレスを持つ場合,送信済みのメッセージでも未読であればキャンセルできる。さらに,AOLやAIMユーザーに送信したメッセージのステータス(未読/既読)も確認可能。

 米メディア(CNET News.com)によると,AOL社のインターネット接続サービスは,より高速な接続サービスを提供する電話会社やケーブル会社の登場で,利用者が減少している。一方,同社の2005年第1四半期における広告収入は前年同期と比べ45%も成長した。AOL社副社長兼AIM部門担当ジェネラル・マネージャのChamath Palihapitiya氏は,「より広範なユーザーに訴求できる無料のメール・サービスを通じて,広告,検索,eコマース関連の収益を伸ばすのが狙い」と説明している。

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