米Hewlett-Packard(HP)と,ラジオ放送大手の米Infinity Broadcastingは,米国における携帯電話向けFMラジオ放送サービス「Visual Radio」の提供に関して,提携関係を結んだ。両社が米国時間4月18日に明らかにしたもの。Visual RadioはフィンランドのNokiaが開発したサービス。携帯電話の画面で番組内容に関連したテキストと画像を見ることができる。

 ユーザーは携帯電話でFMラジオ番組を聴きながら,曲名やアーティスト名,コンサート日時といった情報を受信できるほか,番組の懸賞やプロモーションなど,リスナーが参加する対話型のサービスを利用できる。また着信音など,デジタル・コンテンツの購入も可能。

 HP社は,Visual Radioサービスをホスト型サービスとして,FMラジオ局やモバイル事業者に販売する。また,同サービスの導入を支援するほか,コンテンツ開発に必要なソフトウエアを提供する。

 両社によれば,同サービスによってラジオ放送局はリスナーからの支持を高められ,広告収入を伸ばすことができる。またモバイル事業者は,データ・サービスの利用拡大を通じて,収益とユーザー1人当たりの平均売り上げ(ARPU)を増加できるという。

 試験的な導入も含め,Visual Radioサービスを既に開始している国に,英国,フィンランド,スウェーデン,ドイツなどがある。米メディア(CNET News.com)の報道によると,Nokia社は2006年半ばごろに Visual Radio対応携帯電話を販売する見通し。HP社はその時期に合わせて,同サービスの提供を開始したい考えという。

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