フィンランドのF-Secureが4月6日に,Symbian OSベースの携帯電話機に感染するトロイの木馬「Fontal.A」(別名は「SymbOS/Fontal.A」)について警告した。除去するには携帯電話機をフォーマットし直すしかないという。

 Fontal.Aは,携帯電話機のユーザーが「Kill Saddam By OID500.sis」というSISファイルを導入すると感染する。携帯電話機内のアプリケーション・マネージャに損傷を与えるので,同SISファイルのアンインストールや,新しいアプリケーションのインストールが行えなくなる。

 さらに,このSISファイルは壊れたフォント・ファイルをインストールするため,感染した携帯電話機は起動に失敗するようになり,使用不能な状態に陥る。

 今のところFontal.Aを除去するには,携帯電話機をフォーマットし直すしかないという。ただしその結果,携帯電話機内のすべてのデータが消えてしまう。

 Fontal.Aがインストールするファイルは以下の通り。

・\system\apps\appmngr\appmngr.app:
何も機能を持たないファイル。本来のアプリケーション・マネージャを上書きすることで,アプリケーション管理機能を使えなくする

・\system\apps\kill sadam\kill sadam.app:
再起動時を求めるメッセージを表示するためのファイル

・\system\apps\fonts\kill sadam font.gdr:
フォント・ファイル

 米メディアの報道(TechWeb)によると,Fontal.Aは「Symbian Series 60」搭載携帯電話機に感染する。ただし,ワームと違って自己増殖する力はなく,ユーザーがパソコンで入手したファイルを自分で携帯電話機に導入しない限り感染しないという。

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