フィンランドF-Secureは,MMS(Multimedia Messaging Service)を通じて世界的に広がる可能性がある携帯電話ウイルス「Commwarrior」を検出した。同社が現地時間3月8日に発表した。
Commwarriorは,MMSメッセ-ジングだけでなく,これまでの携帯電話ウイルスの「Cabir」などと同じようにBluetooth機能を使って近くにある携帯端末にも感染拡大を試みる。
1月に開催されたSerbianのディスカッション・フォーラムにおいて,すでに同ウイルスについて警告が出されている。同ウイルスは,Symbian OSが動作する携帯電話機「Symbian Series 60」がターゲットとなっている。感染すると,自動的に携帯電話機のコンタクト・リストに記載される送信先にランダムにMMSメッセージを送信する。MMSテキスト・メッセージは,画像,音声,ビデオも送ることができる。
同社によれば,同ウイルスは世界的に広がる可能性があるが,今のところは限定的な流布に留まっており,ゆっくりとした速度で広がっている。同社は現在その原因を調べている。同ウイルスには,ロシア語のメッセージが含まれているため,ロシアに起源を持つとみられている。
同社Mobile Operator SolutionsディレクタのAntti Vihavainen氏は,「まだ多くの報告を受けていないので,状況は深刻ではない。しかし,CommWarriorに感染した携帯電話機の所有者は,勝手に送られるMMSメッセージの送信料を支払わなければならなくなる。携帯電話は,常識を働かせれば容易に守ることができる。現在流布している携帯電話ウイルスは,ユーザーが標準的なセキュリティ警告を了承しない限り勝手にウイルスをインストールすることはできない」と説明している。
同社によれば,「F-Secure Mobile AntiVirus」によりCommwarriorの検出が可能となる。F-Secureクライアントをインストールしていない携帯端末Symbian Series 60のユーザーに対しては,MMSメッセージで届いた知らないアプリケーションをインストールしないこと,Bluetooth機能に関しては「発見されないモード」に設定することを勧めている。
◎関連記事
■トレンドマイクロ,欧州で携帯向けウイルス対策ソフトを無償配布
■携帯電話初のワームが出現
■「次に狙われるのは携帯電話」--ウイルスの専門家が警告
■ McAfee,Palmねらうトロイの木馬型ウイルスへの対応ソフトを提供開始
[発表資料へ]