ドイツBertelsmannの子会社でネットワーク・メディア・サービスを手がけるドイツarvatoは,PtoP型のコンテンツ配信サービス「GNAB」の実現に向け米Intelと戦略的提携を結んだ。arvato社が現地時間3月31日に明らかにしたもの。著作権管理技術に対応しており,世界各地のサービス・プロバイダやテレビ局などに提供していく。

 Intel社のデジタル・ホーム構想をベースとし,各種セキュリティ標準技術,Universal Plug and Play(UPnP),Digital Living Network Alliance(DLNA)のガイドラインに対応する。arvato社の子会社でモバイル・エンタテインメント事業のドイツarvato mobileとともに,サービスの開発,展開を進める。

 コンテンツ配信はPtoP型の分散ネットワークで行う。ただし,著作権やライセンス所有者のルール適用などは,中央に設けるコンポーネントが安全に管理するという。「分散型プラットフォームとすることで,映画やゲームなど大きなファイルの配信が経済的に行える初のサービス」(arvato社)

 いわゆる“ホワイト・ラベル”として提供するので,サービス・プロバイダやテレビ局,通信販売会社,端末メーカーなどは,自社のシステムに組み込んで運営できる。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,既にarvato社はGNAPのベータ・テストを終え,サービス料金の検討を行っている。2005年第2四半期末には最初の契約を獲得できる見込みという。

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[発表資料(arvato社)]
[発表資料(Bertelsmann社)]