米Novellと米IBMは米国時間3月16日に,Linuxシステムの普及促進で協力体制を敷くことを明らかにした。IBM社のサーバー「eServer」とNovell社のOS「SUSE LINUX」を組み合わせたシステム向けのアプリケーション開発および検証を行う独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)を支援する。

 ISVは,IBM社が北米,欧州,アジアに所有する9カ所の開発センター「Innovation Center」で,技術リソースやハンズオン・ツールを利用し,IBM社製ハードウエアおよびソフトウエアとSUSE LINUXから成るシステム向けに開発したアプリケーションを検証することが可能。

 「ISVは,コストを抑えながら,新たなアプリケーションをより迅速にSUSE LINUXに移植できる。この結果,Linuxアプリケーションを導入している顧客にとって技術インフラの選択肢が増える」(両社)

 Novell社は,企業向けOS「SUSE LINUX Enterprise Server」のコピーとサポート・マニュアルをISVに供与する。一方IBM社は,コンサルティング・サポートと技術的ノウハウを提供する。カリフォルニア州サンマテオ,マサチューセッツ州ウオルサム,イリノイ州シカゴ,英国ハースレー,フランスのパリ,ドイツのシュツットガルト,インドのバンガロール,中国の上海,オーストラリアのシドニーにあるInnovation Centerを利用する。

 「Linuxの勢いは日に日に増している。これまで,6000種類のLinuxアプリケーションがIBM社製プラットフォームで開発され,そのうち2000種類はISVの手によるものだ。当社は,今後2年でこの数を2倍に拡大したいと考えている」(IBM社ISV and Developer Relations部門ジェネラル・マネージャのBuell Duncan氏)

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