米Red Hatは,大企業向けLinuxディストリビューションの最新版「Red Hat Enterprise Linux v.4」を米国時間2月14日に出荷した。Linux 2.6カーネルを採用しており,32ビットと64ビット・プロセサの両方に対応する。

 また,Solaris Unixからの移行を円滑にするため,Red Hat Network管理サービスでSun社のSolarisをサポートするようになった。

 「Red Hat Enterprise Linuxは2002年に企業向けにリリースされ,1年後のバージョン2は信頼性の面でUNIXと肩を並べ,価値においては優位にたった。新版は,Linuxがサーバーからクライアント,デスクトップ・システムへの導入に向けて必要とされる性能,拡張性,セキュリティ,アプリケーション・ポートフォリオを備えている」(Red Hat社エンジニアリング担当副社長のPaul Cormier氏)

 新版は,パートナ企業との協調により米Intel社の64ビット「Xeon」,「Itanium」プロセサ・ベースのシステム,米AMDの「AMD64」,米IBMの「zSeries」,「S/390」,その他のx86システムに対応する。また,コミュニティとの協調によりセキュリティ技術「SELinux(Security Enhanced Linux)」,Webブラウザ「Firefox」といったオープンソース技術を採用している。

 その他にも,複数のハード・ドライブにまたがるストレージ・システムを管理する「Logical Volume Manager(LVM)2」,「Microsoft Exchange」サーバーから電子メールを取り込むコネクタ,シリアルATAハード・ドライブのサポート,デジカメの検出機能などが追加されている。

 現在,Red Hat Enterprise Linux v.4上において数百のアプリケーションの動作認定作業が進められており,750を超えるシステムがRed Hat Enterprise Linuxの認定を受けている。

 Red Hat Enterprise Linux v.4は,全世界に向けてリリースされている。15言語に対応。
同リリースに関する詳細は同社WWWサイトに記載されている。

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