米Comcastと米TiVoは,TiVo社のデジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)向けサービスの提供に関して複数年の戦略的提携を結んだことを,米国時間3月15日に発表した。金額などの詳細は明らかにしていないが,非独占的なかたちをとるという。「Tivo社のサービスを,Comcast社の顧客に幅広く提供する」(Comcast社)

 両社は提携のもと,Tivo社DVRサービスのComcast社向けバージョンを共同開発する。具体的には,Tivo社がソフトウエアを開発し,Comcast社がそれを既存のネットワーク・プラットフォームに組み入れる。新サービスは,2006年半ば~後半に,Comcast社の大半の市場で展開する予定。

 Comcast社の顧客は,オプションで同サービスを導入できる。同サービスは,シーズンを通じてドラマやスポーツを自動録画する「Season Pass」や,好みの条件に応じて番組を自動検索して録画する「WishList」といったTivo社独自の機能を備えるほか,家庭内ネットワーキング,マルチメディア,ブロードバンド機能も利用可能。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Tivo社は,新サービスの開発にあたってComcast社から資金提供を受けており,さらに今後Comcast社の顧客が新サービスを利用するたびに,月あたりで一定料金を受け取ることになる。また,Comcast社はTivo社との提携関係を最大8年にわたって毎年更新できる。

 「我々は,顧客に対して21世紀のテレビ体験を提供することに尽力している。Tivo社と提携を結ぶことで,顧客がみたいコンテンツを,みたい時にテレビで視聴できる技術を引き続き提供する」(Comcast社会長兼CEOのBrian Roberts氏)

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