ソフトウエア開発ツール関連の業界団体Eclipse Foundationは米国時間3月1日に,Webサービス・ツールの初回開発者向けリリースを発表した。Webアプリケーション向けの各種ツールを提供するプロジェクト「Eclipse Web Tools Platform(WTP)」の一環である。開発時間の短縮,Java対応Webサービス開発の簡素化,各種標準規格対応の自動確認などを目的とする。

 Webサービス・ツールをリリースするにあたり,WTPプロジェクトでは,Web関連技術の標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)やWebサービスの普及促進を図る業界団体Web Services Interoperability Organization(WS-I)が定めたWebサービス仕様へのサポートを追加した。また,WS-I検証ツールの参照インプリメンテーションも提供する。

 Webサービス・ツールには,WSDL,XMLおよびXMLスキーマ標準規格対応のオーサリング・ツールや,Webサービス構築プロセスを簡素化するためのウイザードが含まれる。検証ツールと組み合わせることで,Webサービスの開発,テスト,実装が行える。

 ドイツInnoopractのマネージング・ディレクタで,WTPのProject Management Committee(PMC)メンバーであるJochen Krause氏は,「Webサービスの導入に向かう企業が増えているが,IT部門は,大規模な商用ツールに代わるコスト効率の良いツールを求めている。WTPプロジェクトが提供する豊富なツール・セットは,無償というだけでなく,規格の準拠,検証,テストといった重要な機能も備えている」と述べた。

 またEclipse Foundationは,レポーティング・ツール開発プロジェクト「Business Intelligence and Reporting Tools(BIRT)」のもとで開発を進めていた以下のモジュールを利用可能にした。

・Report Object Model(ROM)
・Eclipse Report Designer
・Eclipse Report Engine
・Eclipse Charting Engine

 なお,「WTP 1.0」は2005年7月に,「BIRT 1.0」は2005年前半にリリースする予定。

 さらに,Eclipse Foundationと米Computer Associates International(CA)は,CA社が同団体のStrategic Developer(戦略開発者)として支援を強化することを同日発表した。ちなみにEclipse FoundationのStrategic Developerは,CA社のほか,米BEA Systems,米Borland Software,英Scapa Technologies,米Sybaseで,各社は年間25万ドルの資金援助を行う。

◎関連記事
米BorlandがEclipseに戦略開発者として参加,採用製品拡充や専任開発チーム割り当てなどを発表
米BEAがEclipse Foundationに参加,JRockit対応プラグインを無償提供
米CAがEclipse Foundationに参加,トップレベル・プロジェクトにコードを提供
開発ツール・プラットフォームの新版「Eclipse 3.0」,RCPをサポート
「Eclipseの利用が拡大,北米では最もよく利用されるJava開発ツールに」,米調査
「Eclipse」コンソーシアムが非営利団体としての独立を正式発表
Javaを巡るSunとIBMの争点「Eclipse」とは
「北米開発者の110万人以上がオープンソース・プロジェクトに関与」--米調査

[発表資料(Eclipse Foundationのプレス・リリース1)]
[発表資料(Eclipse Foundationのプレス・リリース2)]
[発表資料(Eclipse Foundationのプレス・リリース3)]
[発表資料(CA社のプレス・リリース)]