ソフトウエア開発ツール関連の業界団体Eclipse Foundationがカナダで現地時間6月21日に,開発ツール・プラットフォームの最新版「Eclipse 3.0」を発表した。柔軟性,拡張性,相互運用性,即応性の向上を図ったほか,RCP(Rich Client Platform)サポートによりデスクトップ・アプリケーションの構築が可能となった。

 Eclipse 3.0の完成には,支援メンバーやEclipseコミュニティが15カ月間を費やして取り組んだという。インストール手順を簡素化し,メニューやツール・バーのカスタム機能を強化した。また,ワークベンチを再構築し,マルチスレッド環境でプログラムのバックグラウンド処理を行えるようにした。その他の主な特徴は以下の通り。

・「Standard Widget Toolkit(SWT)」を使って作成したJavaアプリケーションは,Linux Motif,GTK,Windows,Mac OS X,Photon,AIX,HP/UXなど異なるOSに実装しても,元のウインドウのルック・アンド・フィールを維持できる

・LinuxあるいはWindowsで使用する場合,SWTベースのユーザー・インタフェースにSwingのGUIコンポーネントを組み込むことが可能なため,Swingベースのアプリケーションおよびツールを,Eclipseのワークベンチや多機能アプリケーションに統合できる

 Eclipse 3.0は,6月30日よりWebサイトから無償で提供を開始する。

 またEclipse Foundationは,同団体傘下のプロジェクトである「C/C++ Development Tools(CDT)」および「Hyades」がそれぞれ新バージョンの提供を開始したことも明らかにした。

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