ソフトウエア開発ツール関連の業界団体「Eclipse」が非営利団体として独立した。Eclipseの幹事会が米国時間2月2日に発表した。「Eclipse Platformの発展に取り組み,同プラットフォームに関するすべての技術およびソース・コードは,引き続きロイヤリティ・フリーで公開する」(Eclipse)

 Eclipseは,米IBMがEclipse Platformをオープン・ソース化した際に,立ち上げたコンソーシアム。今回の独立により,常任の管理組織を発足し,企業の開発者,消費者,学術機関や研究機関,標準化団体,ツール相互運用性推進グループ,独立系開発者などと協力する。Eclipseのオープン・ソース・プロジェクトで行う開発は,「Requirements, Architecture and Planning」評議会が指導に当たる。Eclipseには50社以上が参加しており,4件の主要プロジェクトと19件のサブプロジェクトを抱えているという。

 役員会は,「Strategic Developers」「Strategic Consumers」「Add-in Providers」「Open Sourceプロジェクト・リーダー」の4種類の参加企業で構成する。Strategic DevelopersとStrategic Consumersの創設メンバーには,スウェーデンのEricsson,米Hewlett-Packard(HP),IBM社,米Intel,米MontaVista Software,カナダのQNX Software Systems,ドイツのSAP,米Serena Softwareが名を連ねる。数週間以内に常任エグゼクティブ・ディレクタを発表する予定である。

 「これはEclipseの発展にとって大きな一歩だ。オープン・ソース開発コミュニティのために,再利用可能なアーキテクチャを拡充し,プロジェクトを後押しする強固なサポート基盤を構築する。長期にわたる再利用,相互運用性,革新を支え,プロバイダや消費者が開発ツール技術を使って新たなレベルの機能統合や利便性を実現できるようにする」(EclipseスポークスマンのSkip McGaughey氏)

 ちなみに米メディア(CNET News.com)によると,Javaを推進する米Sun Microsystemsは,Eclipseへの参加を断っている。

◎関連記事
Eclipseコンソーシアムが「Visual Editor Project」を発足,オープンなGUIビルダーを開発者に提供
EclipseとWebSphere Studioはどう違うのか
開発ツール・ベンダーが「Eclipse」に熱い視線
米Intel,ソフト開発プラットフォームの業界団体「Eclipse」に参加
米HP,Javaベース開発環境「Eclipse」向けツールを発表
米IBMがソフト開発者向け支援計画を発表,技術イベントの拡充やEclipse対応開発ツールの提供など
オープンソースはビジネスになる──ただし「タダでは使うな」
米Wind River,Linux普及団体OSDLとオープン・ツール開発組織Eclipseに参加

[発表資料へ]