米IBMが,商用グリッド・システム構築支援サービス「Grid Accelerated Design Service」を米国時間2月8日に発表した。IBM社の技術センターIBM Grid Integration Centerに蓄積した事例をベースに,グリッド・ソリューションの生産性向上につながるサービスを提供する。

 IBM Grid Integration Centerでは,同社製および他社製の各種ハードウエア/ソフトウエアを取りそろえ,さまざまなグリッドの構築/試験を行っているほか,導入用ドキュメントも作成している。Grid Accelerated Design Servicesは,同センターで策定した参照導入手順にもとづくグリッド・アーキテクチャ・ソリューション構築基盤を提供し,設計作業の迅速化を図る。

 IBM社グローバルLinux&グリッド・サービス担当役員のBenoit Degreve氏は「何年ものあいだ,グリッド技術は研究所などの組織が複雑な問題を解く手段として使っていたが,今では企業や政府が現実のビジネスなどに利用する重要な要素となった」と述べる。「当社には,経験豊富な3000人以上のグリッド専門家が世界各地にいる。グリッド・ソリューションの提供実績があるうえ,対応製品/サービスの拡充も進めている。生産性を求められる環境向けのグリッド計画を支援するにあたり,よい位置につけている」(同氏)

 また同社は同日,米国とカナダの大学生/指導教員を対象としたグリッド・コンピューティング・コンテスト「2005 IBM North America Grid Scholars Challenge」を後援すると発表した。

 優秀なプロジェクトを提出した上位3チームに対し「IBM ThinkPad T」製品系列のノート・パソコンを授与する。最も高得点を記録した学生の所属する大学には「IBM eServer」を1台提供する。

 コンテストの結果は,2005年5月10日ごろ発表する予定。

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[発表資料(Grid Accelerated Design Service)]
[発表資料(Grid Scholars Challenge)]