米IBMは,アプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)の米Corioを買収することで最終的な合意に達した。両社が米国時間1月25日に発表した。買収金額は1億8200万ドル。1株あたり2ドル82セントで買い取られる。手続きはCorio社の株主の承認などを経て60日以内に完了する予定。

 IBM社は,企業顧客の迅速なアプリケーションの導入とアプリケーション管理の自動化を可能にするCorio社の技術を加えることで同社のアプリケーション・サービスの拡充を狙う。IBM社は,Corio社が開発したホスティング・オペレーションを運営するためのソフトウエアも獲得する。これには,タスクの管理自動化,インターネットを介したアプリケーション配布などを行なうツールも含まれている。

 Corio社はカリフォルニア州に拠点を置き,主に中堅企業向けにホスト型アプリケーション・サービスを提供している。Ariba社,Concur社,Epiphany社,Oracle社,SAP社,Siebel Systems社といった主要な企業向けアプリケーションもサブスクリプション・ベースのサービスとして提供している。

 同社IBM Global Services部門Small and Mid-Sized Business担当ジェネラル・マネージャのJim Corgel氏は,「買収により,企業顧客は多数の有力なビジネス・ソフトウエアを迅速かつ容易に,多様なコスト体系のホスティング・ソリューションとして利用できるようになる。そのため,今回の買収は顧客にって有益である」とコメントしている。

 Corio社は,過去4年間赤字経営を続けていた。買収後には,現在の従業員がIBM社に迎えられ同社CEOのGeorge Kadifa氏は引き続き同事業部門の指揮をとる。ちなみに,1月24日の同社株価の終値は2ドル5セントだった。

◎関連記事
「WWWネイティブなASPサービス市場,2006年には2001年の7倍以上に拡大」,米IDCの調査
SoftEtherを使った業界最安値のASP型VPNサービスが登場
「第二世代ASPによって倍々ゲームで成長する」と米セールスフォースドットコムのマーケティング&システムズ社長
「ASP市場は年平均89%で成長,2005年には約240億ドル規模」,米IDCの調査
「2005年の企業向けASP市場,現在の19倍の130億ドル規模に」,米IDCの調査

発表資料へ