米IDCが米国時間7月9日に,企業向けアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)の世界市場に関する調査結果を発表した。2000年における企業向けASPサービスの売上高は6億9350万ドルだったが,2005年には130億ドルを超えるという。

 企業向けASPサービスとは,企業リソース管理,業界に特化したCRM(customer relationship management),電子商取引アプリケーションに関する管理サービスや拡張サービスで構成したサービスを指す。

 「2000年はとりわけ企業向け分野のASPが好調で,米国の企業向けアプリケーションに対する支出は予測を上まわった」(IDC,ASP調査プログラム部門上級アナリストのJessica Goepfert氏)。

 エンド・ユーザーにおけるASPビジネス・モデルの認知度が高まっており,ASPや業界団体,ITベンダ,一般メディアの1年にわたる教育努力が効果を出ている。

 また認知度以外の要素も企業向けASPへの支出増加を促している。「ITスキルの不足は依然として多くの企業が抱える問題の一つである。企業は中核事業に注力するために,ASPを利用している」(同氏)。

 地域別でみた最大市場は米国で,2000年は世界における支出全体の79%(5億4700万ドル)を占めた。しかし今後は他の地域と比べて成長率が落ち,2005年にはシェアを48%まで縮小する。一方,西欧は急激に成長し,2000年の7440万ドルから2005年には51億ドル規模に拡大する。

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