米IDCが米国時間6月4日に,ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)市場に関する調査結果を発表した。ASP市場の売上高は年平均89%で成長し,2000年の9億8600万ドルから2005年には約240億ドルに達するという。

 大企業におけるASPサービスの利用拡大とサプライヤ・パートナシップの構築が市場成長の要因とみる。米国は2005年末までASPサービスにおける最大市場としての地位を維持する。しかし西欧が立ち上がり期に入っている。西欧におけるASPの売上高は2000年の9300万ドルから2005年には57億ドルに急増する。この間の年平均成長率は128%である。

 個人向けとコラボラティブ・アプリケーション向けASPサービスも成長が期待できるという。2000年における市場シェアの合計は30%程度だったが,2005年にはその割合が45%に拡大する。

 ASP市場の成長は確実だが,どのベンダーが台頭するかは予測がつかないという。「つまり,現在市場のリーダー的存在であるASPも安心してはいられないということだ」(IDC,ASP調査プログラム上級アナリストのJessica Goepfert氏)。

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 ASPの技術,製品,市場の動向に関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「ASP」で詳しくお読みいただけます。

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