米iSuppliは,2004年および2005年の世界半導体市場に関する調査結果を,米国時間12月6日に発表した。それによると,2004年における世界半導体市場の売上高は2266億ドルにのぼる見込み。2005年は前年比4.7%成長し,2371億ドルに達するという。iSuppli社はこれまで2005年の売上高を「前年比9.6%増」と予測していたが,今回これを下方修正する。

 2005年は,半導体市場をけん引する電子部品の生産が前年比6.2%増にとどまり,2004年の同10.1%増から減速する見通しだ。

 また,2004年第3四半期に半導体の在庫が大幅に膨らんだことから,2005年初めはこれらの在庫消化に引き続き取り組むことになる。「この過剰在庫が,2005年のASP(平均販売価格)低下を招き,成長を抑制することになる」(同社)

 ただし,2004年通年では,半導体サプライヤの大多数が好業績を収める。調査対象となった半導体サプライヤ92社のうち,83社が増収する見込み。メモリーや無線チップのサプライヤを中心に,51社が20%以上増収し,4社は3ケタの成長率となる。

 半導体サプライヤ上位10社の2004年通年の成長速度をみると,韓国のSamsung Electronics,ドイツのInfineon Technologies,米Texas Instrumentsが突出しており,それぞれ前年比56.1%増,31.8%増,31.6%増となる見通し。

◎関連記事
「04年の世界半導体市場は26%成長,05年は生産過剰の調整で2%減」,米調査
10月の世界半導体市場,在庫調整の継続により売上高は前月比1.5%の微増
2004年10月の北米半導体製造装置業界,「6月と比べ受注額が13%減少」
2004年の世界半導体市場は前年比27.8%増,しかし2005年は同1.2%増に減速
「世界半導体設備投資,2004年に66%増加するが2005年は横ばい」,米調査
「半導体業界,今後10年でベンダーの40%が撤退する可能性あり」,米Gartnerの調査
「世界半導体市場は2004年後半に成長が減速,2005年に停滞期へ」,米調査
「世界半導体市場,2004年の売上高は過去最高の2140億ドルとなる見込み」,SIAの調査

[発表資料へ]